メディアの輪郭

更新するだけ健康になれる気がしています

動画キュレーションメディア「Upworthy」の年間売上は1,000万ドル超え——通常記事より閲覧・反応されるネイティブ広告プログラム

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動画キュレーションメディア「Upworthy」のネイティブ広告プログラム「Upworthy Collaborations」がうまくいっているようです。Adweekによれば、2014年の広告売上はプログラム開始9ヵ月で1,000万ドル(約12億円)を超えたとのこと。

バイラルやキュレーション文脈で昨年あたりによく並べられたバズフィードは1億ドル超えなので、10分の1程度の売上です。Upworthyはオリジナルの記事制作はほとんどおこなわず、キュレーションとネイティブ広告プログラムに徹しているので、そこまで人件費などはかからないのかもしれません。

ただ、「海外メディア『BuzzFeed』と『Upworthy』のルーツとは?」という記事で紹介したように、アルゴリズムエッジランクなどによって一面的な情報しか取得しなくなってしまうような「フィルターバブル」を問題意識として持っています。そのため、ニューヨーク・タイムズ編集次長を獲得するなど、硬派な人材獲得にも力を入れています。

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Upworthyのネイティブ広告は通常のコンテンツよりも3.5倍閲覧され、2.9倍もアテンション時間を獲得しているというデータは興味深いです。また、ブランドイメージが15〜25%ほどポジティブになったという見方もあるのだとか。ネイティブ広告の多くが50万閲覧数、10万いいね!/シェア/コメントを獲得しているというのも広告の広がりを裏付けます。ユニリーバの「The Project Sunlight」が有名な事例なのでのぞいてみるとどのようなページ、コンテンツの置き方をしているのか分かると思います。

単価であったり、Upworthyの広告チームがどのような体制なのか、気になる点はいくつもあります。独自のコンテンツ評価の指標づくりや社会的なコンテンツ発信など積極的におこなう姿勢はますます注目されていくのではないかと思います。

Upworthyは感情を軸にコンテンツを広げていますが、クチコミをもとに流行を生み出す方法はいくつか確立されています。関心のあるかたはぜひ、「クチコミから流行を生み出す6原則とは? 感情や物語、トリガーなどをコンテンツに組み込む重要性」という記事も読んでみてください。 

バイラルメディア「Upworthy」、「国連気候変動サミット」のスポンサードページを設置

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政治や政策、社会課題の認知向上に務める動画キュレーションメディア「Upworthy(アップワーシー)」。アルゴリズムなどのフィルターによって偏った情報ばかりを得てしまう「フィルターバブル」に対抗するメディアとしても注目を集めています。

少し前の話題となりますが、そんなアップワーシーが9月に開催された「国連気候変動サミット」のスポンサードページを設置していました。スポンサーにはユニリーバ(Project Sunlight)が付き、環境問題を中心としたコンテンツをキュレーションしています。

このページは公開から1週間で1000万人にエンゲージし、1つのコンテンツは平均40万ページビューを記録したとのこと。

カテゴリーにスポンサーが付くという感じが、ハフィントンポストのスポンサードにも少し似ていると思いました。海外では多いかたちですが、日本ではNewsPicksがカテゴリーを販売している例もありますし、注目です。

今回のスポンサードページは、間接的に国連ともコラボレーションしていることになるので、バイラルメディアとしてユニークな事例とも言えそうです。とはいえ、国連は人権領域でバイラルメディアを立ち上げていたりするので、情報発信に柔軟なのでしょう。

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最近では、米国務省(United States Department of State)が「ShareAmerica」というバイラルメディアを立ち上げている事例もあります。国連や行政におけるキュレーションの活用も進んでいるようですね。

昨年、「月間読者数4600万人を突破したメディア『Upworthy』がゲイツ財団とコラボーースポンサードコンテンツで世界の健康と貧困を伝える」という記事を書いたことがありましたが、ちゃんとしたパートナーを迎えて社会課題を認知や解決にコミットするアップワーシーのメディアの姿勢はとても好きだなあと改めて実感しました。

(参照)

We Wanted To Draw Attention To Climate Change. So Did You. And The UN. And Unilever. Check It Out… - Upworthy Insider

UpworthyがPVに代わる指標「アテンション時間」のソースコードを公開

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Upworthyという動画のキュレーションメディアがあります。このメディアがPVに代わる指標として2月頃から取り入れている指標が「Attention Minutes(アテンション時間)」です。

同社はこれまで、ユーザーの満足度を測るためにユニークユーザー数やページビューを重視してきたが、2月6日に新しい指標「Attention Minutes」を開発したと発表した。

これは、動画であれば実際に再生されているか、ユーザーが複数タブを開いている場合はどのタブが表示されているかなど、従来の「ページ滞在時間」より詳細なデータに基づく、ユーザーが実際にコンテンツに注目している時間を測定するというもの。

この指標に基いて、コンテンツの訪問者に占めるそのコンテンツをシェアした人の割合と、コンテンツのAttention Minutes(コンテンツの何%を読んだか)の相関関係をグラフ化したのが下の図だ。

読まずにシェアする人は意外と少ない──Upworthy調べ - ITmedia エンタープライズ 

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このたび同メディアでは、「アテンション時間」のソースコードを公開したようです。

ただのクリックやPVだけでなく、ユーザーのエンゲージメントを測り、コンテンツに目を向けてくれていることをデータとして測定する。メディアが自らこのような解析ツールをつくることも今後のメディアを考える上で差別化になる一つのポイントだと思います。

アテンション時間のコードをすでに導入するところもでていて、解析プラットフォームのParse.lyではすでにロイターなどを含むすべてのクライアントに利用してもらっているとのこと。

求められる記事フォーマットの開発と解説(コンテクスト)、バイラルの使い方」という記事でも紹介しましたが、今後も、指標の多様化については注目です。 

スマートニュースの藤村さんも海外のPV以外の指標について「ページビューを死滅させる指標とは何か?」という記事で書かれています。関心のある方は一度ご覧になると、整理されるかと思います。

 

【参考】The Code [Literally] To What Lies Between The Click And The Share. Yours, For Free... Really. - Upworthy Insider

Upworthyはどのように稼ぐのかーーユニリーバのネイティブ広告を開始

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これまで何度も紹介してきたメディア「Upworthy」。動画キュレーションを行うメディアとしての勢いに注目が集まっています。

Upworthyはこれまでゲイツ財団をはじめ、スポンサードポスト(ネイティブ広告)でマネタイズを図ってきました。このたび、ユニリーバのネイティブ広告を開始することを発表しました。

同メディアが今年4月に発表した「Upworthy Collaborations」という広告モデルのパートナーとして、ユニリーバが参加するというかたちです。この広告モデル発表前は、SkypeやDoveなどと実験的に広告を行ってきたUpworthy。

今回をユニリーバを公式なブランドパートナーとして迎え、同社のProject Sunlight(持続可能な社会に向けて取り組むプロジェクト)のプロモーションを行っていくとのこと。

社会性の高い情報発信に強みをもつUpworthyとも相性が良いと思います。今回のユニリーバのように、企業のCSR事業のプロモーションとしての活用は今後も増えていくのではないでしょうか。

ユニリーバは以前「ヴォックスメディアに移籍したエズラ・クライン、ニュース解説メディア『Vox』立ち上げへ」という記事で紹介したメディア「Vox」のスポンサーも行っており、新興メディアとのコラボレーションを積極的に行っている印象があります。

今後どのような企業とパートナーを組んでいくのかも注目したいところです。Upworthyの広告モデルをはじめとするバイラルメディアの稼ぎ方は参考になることが多いと思います。

2013年、バイラルメディア「Upworthy」でよく観られたコンテンツは「社会問題」

f:id:kana-boon:20140119214728p:plain メディアの輪郭でたびたび取り上げてきた海外の有力なバイラルメディア「Upworthy(アップワーシー)」。この記事では、2013年にどのようなトピックが多く読まれていたのかを紹介します。

【関連記事】

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(インフォグラフィックはUpworthyの特設ページよりスクリーンショット

セクシャルマイノリティや格差などの動画がよく観られた

アップワーシーの公式ブログでは上のようなインフォグラフィックが紹介され、2013年に多く観られたトピックを振り返っています。 

ゲイやレズビアンに関する動画がトップで、その次にメディアが映し出す女性に関するもの、収入格差や性平等などに関するコンテンツが続くといった感じです。

サイトのミッション(Things that matter)通り、重要なことを伝え広めることができているのではないでしょうか。例えば、フォトショップなどの利用で美について考えるような動画は440万シェア(記事9本)、がんに関する動画は390万シェア(記事3本)などとなっています。

昨年一番見られたミネソタのガンで亡くなってしまったとある高校生の物語(動画)においては、彼の歌う曲がiTunesで一時トップになるほどの影響があったそうです。

トップ100記事で4億近いPVを稼ぐバイラル

上位100記事で約4億PVを誇ります。これは1本あたり平均300〜400万PVを記録したことを示していて、シェアに関しては1本あたり42万回以上だったのだとか。また、昨年投稿したコンテンツのうち、139本の記事が100万PVを超えたとのことです。

シェアやPVに関して新興メディアの中ではやはり圧倒的で、2014年もさらなる展開に注目があつまることになるでしょう。個人的にはマネタイズや成長率などを中心に見ていきたいと思います。

 

【参考】

国連も乗っかるバイラルメディアの波! 「UN Free & Equal」を知っていますか?

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メディアの輪郭では、これまで約9000万人の月間読者を抱える「Upworthy」ワシントンポストの「KnowMore」などの海外におけるバイラルメディア、そして日本におけるバイラルメディアの勃興についても取り上げてきました。以下の記事でもバイラル系をメインに紹介しました。

自由と平等を目指す国連バイラルメディア

今回紹介するのは、2013年7月に国連が立ち上げたバイラルメディアUN Free & Equalです(ワシントンポストでさえ10月にバイラルメディア立ち上げたので、国連のトレンドの先取りが伺えます)。人権や平等をテーマに、動画やインフォグラフィックなどを発信して、問題認知の向上を目指しています。

いまだに世界では、性差や同性愛、LGBTなどを理由とした差別などが残っています。いまでも、76ヵ国では同性愛が刑罰の対象になり、5ヵ国では死刑となるそう。

このような現状に変化を起こすべくリリースされたメディア「UN Free & Equal」は、国際連合人権高等弁務官事務所(UN High Commissioner for Human Rights=OHCHR)が主体となって、運用されています。

メディアを通じて展開するグローバルキャンペーン

具体的な目的は、特にゲイやレズビアンバイセクシャルトランスジェンダーの方々の権利を尊重することを促進するためのグローバル規模での啓発です。しかしながら、問題の認知向上や、人々のアクションを促すことの難しいトピックでもある性や差別。

そこで、このメディアを活用して、データや動画、インフォグラフィック、そして証言など、様々な形のコンテンツを発信することでアプローチしています。

パートナーには、人権キャンペーンなども仕掛けている「Purpose Foundation」が就き、さらにミュージシャンのリッキー・マーティン氏や南アフリカの歌手イヴォンヌ・チャカ・チャカ氏、ボリウッド(インド映画)女優セリナ・ジェートリー氏、ブラジル出身の小説家パウロ・コエーリョ氏、ブラジルの歌手ダニエラ・メルキュリ氏などセレブらも協力者として名を連ねているのです。

UN Free & Equalで発信しているコンテンツ例を以下に記しておきます。動画やインフォグラフィックで問題を認知してもらうことを意識した作りになっています。

NPOや財団とのコラボでもう一歩先の価値を生み出す

国内ですと、「dropout(ドロップアウト)」というメディアが社会的な問題や可視化されていない、気付いていないようなイシューに関する動画をキュレーションしています。

問題の認知が広がっていくことは、解決の第一歩だと思いますので、ドロップアウトNPOがコラボするような動きがあったりするとかなり有意義だと思います。例えば、社会問題に取り組むNPOがゲストキュレーターとして参加したり、その団体のオリジナルの映像を制作したり。

Upworthyはゲイツ財団とコラボしていますし、今回のUN Free & Equalは国連が運営していたりという文脈を日本でも汲むことができるならば、バイラルメディアの可能性はさらに広がっていくのかもしれません。

日本ではUpworthy的なフォーマットの採用が多いようです

日本では特に最近になって、バイラル系のメディアが増えてきて、10を超えるほどになっています。なぜかUpworthy的に、動画のキュレーションメディアの形をとっているところがほとんどのようです。

海外のバイラルメディアを見ると、圧倒的に成長しているのは月間訪問者が1.3億人を超えた「バズフィード」20歳が立ち上げ、たった1ヵ月で月間読者数が2100万人と記録した「Distractify」1人で運営して3000万PV規模の「ViralNova」あたりだったりします。

このあたりも参考にすると、単なるYoutubeやVimeo、Vine動画のまとめサイトから脱却できるのかもしれませんね。引き続きどのようなバイラル系メディアが出てくるのか楽しみです。

UN Free & Equal

Upworthy、1本の記事に対して平均4万以上のいいね!を記録

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上にあるのは、衝撃的なグラフです。

たびたび史上最速で成長するウェブメディアとして紹介してきた「Upworthy(アップワーシー)」をはじめ、アメリカのウェブメディアの記事1本に対して付いた平均いいね!数を表しています。

アップワーシー的なメディアはどこまで伸びるのか

アップワーシーに関しては、1記事につき、「平均43,446いいね!」という、うらやましいほどすごい数字を記録しており、2位以下とはかなりの差があるのです(2013年11月のデータ)。

一方でコンテンツ量が1ヵ月250本ほどと、それほど多くありません(50名ほどのキュレーターが週に5〜7本キュレーション)。それでも、250(記事)×43,000(いいね!)=1075万いいね!を毎月獲得している計算になります。

やはりこれだけのトラフィックの集まるメディアということもあり、現在2つほどスポンサードコンテンツを展開し、マネタイズも順調なように見えます。

しかしながら、この特徴的なフォーマットのメディアがどこで頭打ちするのかは興味深く見ていきたいところ。

アップワーシー的なメディアにも未来を感じます(上記グラフを掲載しているワシントンポストも「Knowmore」というバイラルサイトを立ち上げトップレベルのアクセスに成長している)が、個人的には同じバイラルメディアとくくられているBuzzFeed(バズフィード)の方がウェブメディアやジャーナリズムの世界にゲームチェンジを起こすのではないかと思っています(いつかそれについても書きたいです)。

日本でも「drop out(ドロップアウト)」や「whats(ワッツ)」など、アップワーシー形式のメディアも出てきていますが、来年もさらに増えてくると思うので、楽しみにしたいです。

 

【参考】

アップワーシー、立ち上げ2年経たずに月間訪問数8900万人を突破

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ゲイツ財団とのスポンサードコンテンツを展開したり、キュレーターの採用テストがリークされたり、その動向が注目されているウェブメディア「Upworthy(アップワーシー)」。

なんと、立ち上げ2年経たずに月間訪問数8900万人を突破したようです。以下にあるのはビジネスインサイダーに掲載されているアップワーシーの月間訪問数の推移を記録したグラフです。

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この1ヵ月で訪問者数は倍増

2012年3月の設立以来、基本的には右肩上がりで成長してきました。10月時点では4000万人を超えるくらいでしたが、11月のデータでは8900万人ほどを記録しているのです。

50名以上のキュレーターや編集者を抱え、25通りの記事タイトルを課し、タイトルのA/Bテストなどもしつこく行っているアップワーシー。

続々と立ち上がる類似メディア

ワシントンポストが打ち出した「Know More」20歳が立ち上げたバイラルメディア「Distractify」立ち上げ半年で3000万PVのメディア「ViralNova」など、アップワーシーのフォーマットを真似したメディアも続々と立ち上がっているという状況です。

そのような中でアップワーシーの価値としては、やはりクリックしてもらえるようなタイトル付けと良質なコンテンツ収集、そして世界の健康状態や人権、貧困など、社会的に知られるべきコンテンツを広げている方向性をしっかりと持っているということでしょう。

具体的な記事や記事ごとのインパクトなどは『たった1本の記事で1700万PV超え! 米メディア「Upworthy(アップワーシー)」のヒットコンテンツ5選』などの記事を参考にしていただけたらと思います。

 

【参考記事】

立ち上げ半年で3000万PVのメディア「ViralNova」は1人体制らしい

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海外におけるウェブメディアのトレンド「バイラルメディア」

最近の海外ウェブメディアの大きなトレンドとしてバイラルメディアがあります。

ソーシャルメディア上でシェアされ、広がっていくようなコンテンツを発信し、SEOよりもソーシャル上での口コミに重点を置いているようなメディアです。

これまでもいくつかバイラルメディアを紹介しましたが、動画コンテンツを強みに史上最速で成長する「Upworthy(アップワーシー)」 や月間訪問者数が1.3億人を突破した「バズフィード」、 ワシントンポストが打ち出した「Know More」そして、20歳が立ち上げたバイラルメディア「Distractify」など様々あります。

運営者が不明でもソーシャル上で広がっている

今回紹介するバイラルメディア「ViralNova(バイラルノバ)」は、運営者が分からない謎のメディアです(オハイオ在住のウェブデザイナー&SEOコンサルタントが1人で運営しているらしい)が、ソーシャルメディア上での存在感が出ているようです。

2013年5月頃に始まったこのメディアのミッションは、人々がシェアしてくれるようなストーリーを投稿するというシンプルなもの。

現在時点では、650万訪問数、3000万ページビューあたりまで成長しています。グラフにある通り、右肩上がりの成長を見せているので、今後もどのくらいまで伸びてくるのか楽しみです。

コンテンツに関しては、まとめ記事やおもしろ系記事が多く見られます。特にかわいいものや信じられないようなもの、ほっこりするようなものなど感情に寄り添ったコンテンツが多いです。

FacebookのシェアやタイトルのA/Bテストがカギ

また、Facebookページのいいね!数は50万を超えており、発信するコンテンツとFacebookの相性が良いことが伺えます。

バイラルメディアを見ていると、コンテンツのキュレーションはもちろんのこと、Facebookのシェアへの誘導やタイトルのA/Bテストなどがカギとなっていきそうです。

最後に運営体制についてですが、ワシントンポストが打ち出した「Know More」は2名で運営、20歳が立ち上げたバイラルメディア「Distractify」は4名、そして今回の「ViralNova」は1人で運営していたりと、少人数で影響力のあるメディアをつくる事例が増えています。

引き続き、バイラルメディアには注目です。

 

【参考】

史上最速で成長するウェブメディア「Upworthy(アップワーシー)」に入るためのテストとは?

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記事ごとに25通りのタイトル案を考えているなど、コンテンツの"シェア"や"バイラル"に関して右に出るメディアがいないほど成長を続けているバイラルメディア「Upworthy(アップワーシー)」。

ゲイツ財団ともコラボしてマネタイズ

2012年3月に設立されたこの新興メディアは、約1年半で月間の訪問数は4600万人を突破しています。

9月には800万ドルの出資を受けて体制を整えるとともに、マネタイズに関してもスポンサードコンテンツの形をとり、ゲイツ財団とコラボしたカテゴリー「All 7 Billion」を設置するなど、さらなる展開に注目があつまるところです。

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上のグラフを見ると、アップワーシーが史上最速で成長するウェブメディアと言われる理由が分かるかと思います。

優秀なキュレーターを採用するためのテスト

これだけの成長を続けている背景には、優秀なキュレーターを採用しているはず。現在、アップワーシーに関わっている編集者/キュレーターは50名以上にもなります。

そんなアップワーシーにフリーランスのキュレーターとして入る際に課されるテストをニュースサイト「DeathAndTaxes」が報じているので紹介します(2012年に採用テストを受けた人がリークしたものらしく、現在はおそらく変わっているようです)。

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ざっと見てみると、①タイトルの25本提出、②アメリカにいるすべての人に見てほしいリンクとその理由、③チームに加えたい視点や考え方、④一番好きなSNSとその理由、⑤どれくらいテクノロジーに強いか・弱いか、⑥アップワーシーのFacebookページに関して言いたいこと、⑦メディアに関するデータ分析経験、そして最後は少しいじわるなものになってますね。

ウェブメディアにおいて人材を採用する際の参考になる部分もあるのではないでしょうか。もちろんこれはキュレーターのテストなので、ライターや編集者の採用ではまた違ってきますが。

余談ですが、アップワーシーはその成長に伴い、パクリ的なブログも登場したり、アップワーシー的な記事をつくることができるジェネレーターが生まれるなど、面白い方向にも派生しています。

最後に、アップワーシーのバイラルの極意が分かるスライドも公開されていますので、ぜひご覧になってみてください。ウェブメディアに関わる人は発見がいくつもあると思います。

【参考記事】

たった1本の記事で1700万PV超え! 米メディア「Upworthy(アップワーシー)」のヒットコンテンツ5選

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先日、史上最速スピードで成長を遂げているバイラルメディア「Upworthy(アップワーシー)」についてお伝えしました。

10月は1週間だけで2500万訪問数を記録するなど勢いがあり、30名ほどのキュレーターたちのコンテンツづくりによって、Time.comやFox Newsなどの老舗メディアよりも遥かに多くのトラフィックを集めています。

注目のマネタイズについても上記記事で紹介したようなスポンサードコンテンツを展開することで収益を上げていく方向性を取り始めたところです。

感動を呼んだ18歳少年の動画

では、実際どのような記事が読まれているのでしょうか。

アップワーシーはスタートしてからまだ1年半(17ヵ月)。それにもかかわらず、1000万PVを超える記事を2本出しています。そのうちの1つは1700万PVを上回っているものです。内容はミネソタのガンで亡くなってしまったとある高校生の物語(動画)でした。

ザックの夢をかなえたのは、彼の噂を聞きつけた日産のマーケティング・コミュニケーション部門担当者マイク・ディザー氏だ。同氏は「日産のスタッフは皆、ザックの話に心を打たれました。GT-Rを貸し出すことで彼の夢をかなえ、ザックにエールとご褒美を贈りたかったのです」と語った。

 

ザックは14歳で骨肉腫と診断されてから、闘病を続けてきた。その間、常に笑顔を絶やさず、動画にあるように「死ぬことを考えながら生きなくてもいいでしょ」と前向きな姿勢を貫いてきた。だが、病魔に打ち勝てず、今月20日についにこの世を去った。

 

この動画は彼が亡くなる数週間前、18歳の誕生日を迎えた5月3日に投稿されている。ザックがGT-Rへの熱い思いを語るのは、5分30秒あたりからだ。ぜひ、お手元にハンカチを用意してから、22分間の全編をご覧いただきたい。観る人の心にザックの温かさがいつまでも残り続けてほしいと切に願う。

【ビデオ】ハンカチ無しでは見られない 「GT-R」と不治の病で亡くなった少年との物語 - Autoblog 日本版

トップのコンテンツ以外にも、600万PV周りの記事も出していて、ヒット記事を連発しているのがアップワーシーのキュレーション力とタイトリングのセンスなのです。

ぜひいくつかご覧になってみてはいかがでしょうか。

アップワーシーのヒットコンテンツ5選

  1. This Kid Just Died. What He Left Behind Is Wondtacular. (1700万PV)
  2. See Why We Have An Absolutely Ridiculous Standard Of Beauty In Just 37 Seconds. (1180万PV)
  3. Dustin Hoffman Breaks Down Crying Explaining Something That Every Woman Sadly Already Experienced.(780万PV)
  4. 9 Out Of 10 Americans Are Completely Wrong About This Mind-Blowing Fact.(630万PV)
  5. A Boy Makes Anti-Muslim Comments In Front Of An American Soldier. The Soldier’s Reply: Priceless.(630万PV)

参考:アップワーシーのコンテンツ制作の極意(スライド)

 

【参考記事】

  • Upworthy, closing in on 50M monthly uniques, lists 11 greatest hits

http://pandodaily.com/2013/11/12/upworthy-closing-in-on-50m-monthly-uniques-lists-11-greatest-hits/

  • Upworthy Goes Viral by Optimizing Optimism

http://www.businessweek.com/articles/2013-08-01/upworthy-goes-viral-by-optimizing-optimism

 

【過去記事】

 

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月間読者数4600万人を突破したメディア「Upworthy」がゲイツ財団とコラボーースポンサードコンテンツで世界の健康と貧困を伝える

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史上最速で急成長中のバイラルメディア

史上最速で急成長していると言われるバイラルメディア「Upworthy(アップワーシー)」。毎回の記事で25通りのタイトル案を考えていることでも知られています。

2012年3月に設立され、約1年半で月間読者数は4600万人を突破(10月)。ネット上の動画や画像をキュレーションし、大きめのシェアボタンを設置して、検索よりもソーシャル上でのバイラル(口コミ)を重視しているメディアです。

サイト自体については、現代ビジネスの記事から引用し、以下に記しておきます。

同サイトは、アメリカ最大のリベラル系市民政治団体の1つ「ムーブオン」(MoveOn.org)の元エグゼクティブ・ディレクターであるイーライ・パリサー氏(『閉じこもるインターネット---グーグル・パーソナライズ・民主主義』の著者)と、社会風刺専門メディア「ジ・オニオン(The Onion)」の元マネージング・エディターであるピーター・キークリー氏(Koechley)の二人により創設されました。

出資者にはフェイスブックの共同創業者、オバマ大統領選挙のオンライン・キャンペーン・ディレクターの経歴を持つクリス・ヒューズ氏(Chris Huges)も名を連ねています。スタッフ数はまだ20名弱と小規模で、意図的に、伝統的なジャーナリストのバックグラウンドを持たない、同社のミッションに強く共感した編集スタッフを集めています。(開設14ヵ月で月間ユニークユーザー数が3000万! ~史上最速で急成長するバイラル・メディアサイト「Upworthy」の秘密 | 市川裕康「デジタル・キュレーション」 | 現代ビジネス [講談社]

世界の健康と貧困について多くの人に知ってもらう

2013年11月12日、「Things that matter(重要なこと)」を伝えるソーシャル時代の新しい形のメディア「Upworthy」がゲイツ財団とのコラボをスタートしました。スポンサードコンテンツの形をとり、ゲイツ財団が今回設置したカテゴリー「All 7 Billion」にお金を出し、Upworthy側が世界の健康と貧困に関わるようなコンテンツをどんどん作成していくという流れです。

Upworthyのウェブメディア界トップレベルのバイラル性に加え(1本の記事で1000万ページビューを超えることもある)、ちょうどこれからマネタイズしようとしていた時期だったことと、世界の貧困や健康の現状をまずは認知してほしいゲイツ財団の需要と供給が一致していますね。

まだ、過去のコンテンツをこのカテゴリーに入れているのみで、そこまでコンテンツは出ていませんが、以下のようなものがカテゴリー内にアップされています。また、今回のスポンサードでフルタイムのキュレーターを1人雇い、数名体制でコンテンツの拡充を図っていくようです。

Upworthyはこれまで単体の広告記事を配信したり、9月には800万ドル規模の資金調達を受けていました。今回のスポンサードコンテンツの取り組みがビジネス的にも社会的にもどのような効果を生み出していくのか引き続き注視していきます。

 

【参考記事】

  • Upworthy: I Thought This Website Was Crazy, but What Happened Next Changed Everything

http://www.theatlantic.com/business/archive/2013/11/upworthy-i-thought-this-website-was-crazy-but-what-happened-next-changed-everything/281472/

http://pandodaily.com/2013/11/12/upworthy-closing-in-on-50m-monthly-uniques-lists-11-greatest-hits/

  • 開設14ヵ月で月間ユニークユーザー数が3000万! ~史上最速で急成長するバイラル・メディアサイト「Upworthy」の秘密

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/36339

 

【過去記事】

 

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