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動画キュレーションメディア「Upworthy」の年間売上は1,000万ドル超え——通常記事より閲覧・反応されるネイティブ広告プログラム

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動画キュレーションメディア「Upworthy」のネイティブ広告プログラム「Upworthy Collaborations」がうまくいっているようです。Adweekによれば、2014年の広告売上はプログラム開始9ヵ月で1,000万ドル(約12億円)を超えたとのこと。

バイラルやキュレーション文脈で昨年あたりによく並べられたバズフィードは1億ドル超えなので、10分の1程度の売上です。Upworthyはオリジナルの記事制作はほとんどおこなわず、キュレーションとネイティブ広告プログラムに徹しているので、そこまで人件費などはかからないのかもしれません。

ただ、「海外メディア『BuzzFeed』と『Upworthy』のルーツとは?」という記事で紹介したように、アルゴリズムエッジランクなどによって一面的な情報しか取得しなくなってしまうような「フィルターバブル」を問題意識として持っています。そのため、ニューヨーク・タイムズ編集次長を獲得するなど、硬派な人材獲得にも力を入れています。

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Upworthyのネイティブ広告は通常のコンテンツよりも3.5倍閲覧され、2.9倍もアテンション時間を獲得しているというデータは興味深いです。また、ブランドイメージが15〜25%ほどポジティブになったという見方もあるのだとか。ネイティブ広告の多くが50万閲覧数、10万いいね!/シェア/コメントを獲得しているというのも広告の広がりを裏付けます。ユニリーバの「The Project Sunlight」が有名な事例なのでのぞいてみるとどのようなページ、コンテンツの置き方をしているのか分かると思います。

単価であったり、Upworthyの広告チームがどのような体制なのか、気になる点はいくつもあります。独自のコンテンツ評価の指標づくりや社会的なコンテンツ発信など積極的におこなう姿勢はますます注目されていくのではないかと思います。

Upworthyは感情を軸にコンテンツを広げていますが、クチコミをもとに流行を生み出す方法はいくつか確立されています。関心のあるかたはぜひ、「クチコミから流行を生み出す6原則とは? 感情や物語、トリガーなどをコンテンツに組み込む重要性」という記事も読んでみてください。