実験的なメディアを立ち上げている英新聞社「Trinity Mirror」
海外の新興メディアというと「海外における新興ウェブメディアの隆盛 〜12のメディアから見えてくるもの〜」という記事でバイラルやキュレーション系のメディアを多くまとめました。
新興メディアは、ソーシャルからの流入やスマホ時代のコンテンツ発信で、なかなか小回りのきいていない大手メディアを置いていっていますが、伝統的な新聞社でも実験的なメディア立ち上げなどは行われています。
今回紹介するのは、100年以上の歴史を持つイギリスの新聞社「Trinity Mirror」の事例です。
Us Vs Th3m
まず紹介するのは、2013年5月に立ち上がった「Us Vs Th3m」。若い読者層(18〜30歳)を取り込むため、ユーモアやエンタメ色の強いコンテンツを展開しています。
「Us Vs Th3m」は、BBCやガーディアンにいたMartin Belam(マーティン・ベラム)氏やMSN Internationalの編集者だったTom Phillips(トム・フィリップス)氏、そして「B3ta」というユーモアサイトをつくったRobert Manuel(ロバート・マニュエル)氏らによって運営。
2013年10月には300万人以上の読者が集まるメディアに育っているのだとか。バナーではなく、ネイティブ広告がマネタイズの手法となっていくようです。また、Tumblrを使っているところも実験的なポイントかもしれません。ミニマムなデザインが特徴的です。
Ampp3d
次に紹介するのは、バイラルジャーナリズムの実験としてつくられたメディア「ampp3d」。データやインフォグラフィックなどを用いた情報発信を行っています。
2013年12月にできたばかりですが、着想から2カ月ほどでできたそう。キレのいいタイトルや、感情的なコンテンツもあり、シェアを多く狙っているようです。
データジャーナリズムの実験、そして実践の場として機能しそうなメディアでとても注目しています。QuartzやTimeのように、スクロールで読みやすいデザインとなっています。
Mirror Row Zed
スポーツやクイズ、ゲームや笑いなど、ライトで触れやすいコンテンツを発信しています。ウェブサイトはないものの、Us Vs Th3mのクイズやampp3dのグラフをツイッターやフェイスブックでキュレーションしています。今後が気になるところです。
テレグラフ・メディア・グループのモバイルに特化したサッカーメディア「Project Babb」や「メディアづくりの参考になる! デザインがイケてる海外メディア10選」で紹介したコメントを魅せるスポーツメディアなど、スポーツ系の新興メディアが続々と立ち上がっています。
スポーツメディア、総合型、競技型、色々とやりようと可能性があるように思うので、ブレイクスルーに期待したいです。