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なぜアルジャジーラはゲームをつくったのか?

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バズフィードの最近の動向ーー新社長就任、資金調達、ゲーム参入など」という記事でバズフィードがゲームに参入することにも触れました。中東からはじまり、現在ではアメリカでも展開しているアルジャジーラが今回、ゲームをつくったようです。

ゲームのテーマは「シエラレオネにおける違法な漁業(貿易)」、タイトルは「Pirate Fishing」。アルジャジーラにとっては初となるゲーム制作。ゲーム内ではジャーナリストになり、違法な貿易を調査します。

全4つのステージに分かれており、調査を進めてさまざまな情報を得るとともに、ポイントやバッジを貯めながら、ゴールに向かいます(スクロールで調査報道を追体験できるというかたち)。エンドロールには、この問題に取り組むWWFNGO グリーンピースなどへのリンクも紹介されています。

ゲームをつくった目的は、環境犯罪や調査報道を若年層にもアピールするためです。アルジャジーラのジャーナリスト、ジュリアナ・ルーフス氏は「統計やメディアの現状を伝えるレポートを見ると、特に若い世代はただの受動的な読者になるのではなく、メディアに参加したい欲がかなりある」と説明します。

メディアのテクノロジー活用として、ゲームという選択は興味深いです。メディアの表現に限界がかはわかりませんが、若者がニュースや報道に参加するきっかけとしてゲームが入り口になるのだとしたら、それはそれでありだなあと思います。

コメントのようなコミットの仕方もありますが、果たして記事の終わりに欄が設置されているのがよいのか。記事末に設置されたコメント欄から有意義/建設的な議論は生まれることはほとんどないと考えていますが、そこは設計上の問題になりそうです。MediumやQuartzのように、パラグラフ単位とかでコメントできるような仕組みも必要になるでしょう。

メディアの設計はこれまでのスタンダードにとらわれることなく、自由に発想していきたいですね。以前読んだ「本当に文字って必要ですか?」という記事なんかはとても参考になります。 

今回のトピックで言えば、海外ではメディアがゲームをつくる事例はいくつかあります。個人的にすきなものは、ニューヨーク・タイムズがゲームに関する記事で取り入れた、サイトを壊すインベーダーゲームです。このようにさまざまな記事の届け方、見せ方に挑戦している事例は取り上げていきたいと思います。

 

【参照】

http://www.journalism.co.uk/news/why-al-jazeera-has-launched-its-first-news-game/s2/a562575/