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若者3人が立ち上げたウェブメディア「Elite Daily」、月間4000万訪問数&年間売上40万ドル超え

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以前、「たった1ヵ月で読者数は2100万人! 弱冠20歳が立ち上げたバイラルメディア「Distractify」が驚異的」という記事で、若者がつくるメディアに注目しました。今回も同じく若者が立ち上げた「Elite Daily」というメディアを紹介します。

「The Voice of Generation Y(Y世代の声)」というキャッチコピーを掲げたメディアで、「Y世代=1975年から1989年までに生まれた世代(もしくはミレニアル世代=1980年代から1990年代に生まれた世代)」をターゲットにしています。

ミレニアル世代をターゲットにしたメディアは人気のものもでてきており、「OZY」「Policymic」はその最前線に位置しており、デザインや扱うトピックも工夫されている。

「ミレニアル世代」をターゲットとした新興メディアについて見ていきたい。まず注目すべきメディアは、出資者にスティーブ・ジョブズ夫人のローレン・パウエルがいる「OZY」だ。

マッキンゼーを経て、MSNBCのアンカーを務めたカルロス・ワトソン氏が立ち上げた同メディアは、1981~2000年頃(年齢で言うと15~35歳あたり)に生まれた人を指す「ミレニアル世代」に向けて情報を発信している。彼は、ニュースアンカー以外にも、2009年に「The Stimulist」というニュースサイトを立ち上げた経験もあり、その手腕に期待が寄せられるところだ。

2013年9月にローンチしたばかりの非常に若いメディアではあるが、1日10本ほどの質の高い記事を更新しており、かなりの長文記事もよく見かける。これまでに540万ドル(約5億円)の資金調達を実施しており、約40名のチームでメディア運営をしている。

記事作成にあたっては、ファストなニュース作成と差別化するため、「Thoughtful(思慮に富んだ/思想の豊かな)」な記事作成を心がけているとのことだ。

同じ「ミレニアル世代」に向けたメディアとして挙げられるのが2011年に立ち上がった「Policymic」だ。若者向けのメディアとして順調に成長しており、約1000万人の月間読者を獲得している。

ハーバード大学スタンフォード大学出身者が立ち上げたメディアとして注目が集まっているのだが、政治系の記事を情報発信の中心に据えているのが興味深い。もちろん政治のみでなく、若い読者に読んでもらえるよう、アートやエンターテイメント、カルチャー系のコンテンツについても積極的に発信している。デザインのリッチな感じも若い人に受けている一つのポイントかもしれない。

その他の特徴としては、若い世代の議論の場となるように、独自のコメントシステムを導入している。サイトでは「Mics」という仮想通貨を利用して議論を展開する仕組みを取り入れている。

バイラル、動画、ミレニアル世代、調査報道・・・影響力を増す海外新興メディアの視点 | デジタル・エディターズ・ノート | 現代ビジネス [講談社]

「Elite Daily」は、2012年に設立、前述の2つのサイトのちょうど間の時期に立ち上がっています。まだ2年経たずですが、従業員55名で4000万訪問数という規模に成長。

創業者含め、メンバー全員が30歳以下で構成されるという次世代のメディアといえます。さらには創業者はメディアやテクノロジーのバックグラウンドを持っていないというもの興味深いです。

バイラルメディアのUpworthyやBuzzFeedが伸び悩むなか、どのような戦略を考えているのか知りたいですね。ミレニアル世代のハフィントンポストとなるべく、寄稿者も600名ほどいます。ソーシャルの流入は7割ほどでコンテンツは、まとめ系の記事も多くみられます。寄稿者が多くいるため、コンテンツに関しては困らなそうですね。

150万ドル(1.5億円)を調達したばかりですが、2015年までに1.5億訪問数を目指しているとのことで注目なメディアです。チームの写真もかっこいい。

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(出典:Elite Daily

 

【参考】Elite Daily raises $1.5 million and has 40 million uniques - Business Insider