海外メディアの視点と動向を知る! タイム誌「ベストウェブサイト50」から注目メディア5選
タイム誌が今年もベストウェブサイト50を選定しています。昨年はバイラルメディア「Upworthy(アップワーシー)」やビジネスメディア「Quartz(クオーツ)」、動画ニュースサイト「NowThis(ナウディス)」などが取り上げられていました。
今年も注目メディアについてみていきましょう。5つ紹介します。
Imgur(イメージャー)
すでに有名どころですが、イメージャー。画像ホスティングサービスとして、そしてネタの宝庫として、さまざまな使われ方をしており、急成長中です。アニメGIFも多くあります。
2009年にオハイオ大学の学生が立ち上げたサイトですが、2014年5月時点で、1.3億人の月間訪問数、50億ページビューを記録。1日150万もの画像がアップされているとのこと。
4月にはベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツから4000万ドル(約47億円)を資金調達しました。今後の伸びにも期待されます。
Genius(ジーニアス)
もともとラップ歌詞解説サイトとしてはじまったジー二アス。リニューアル前はRapGeniusという名前でした。
現在ではラップ以外にもかなり領域を拡大。ロックや詩、歴史、法律、テレビや映画など14つのカテゴリーが存在しています。
サイトのキャッチコピー「Annotate the World(世界に注釈を付ける)」というのもなんともかっこいいです。WIREDの記事では、共同経営者のマーク・アンドリーセン氏の言葉や考えも紹介されていますので、ぜひ読んでみてください。
世界中のあらゆるテキストを引用し、注釈すること、つまりテキストという人類の「知」の遺産を深化させ、豊かにしていくのに最適なプラットフォームをRap Geniusは提供していると彼は考える。言ってみれば、それは電子版のタルムードともなりうる。そうした考えに立てば扱うテキストは何も「ラップの歌詞」に限定する必要はない。世界は、そしてインターネットは、テキストに溢れている。Rap Geniusのポテンシャルは際限ない、と考えるのも的外れではない
ClickHole(クリックホール)
昨年のアップワーシーに続いて、なぜかバイラルメディアが選出されています。ClickHoleは政治風刺サイト「The Onion(ジ・オニオン)」が立ち上げたもの。当初からバズフィードやアップワーシーのパロディとしてメディアに取り上げられていました。
リスト記事や動画、クイズなどのコンテンツを軸に発信しています。ジ・オニオン自体は1998年設立と、少し古いのですが、こうやってソーシャルメディア時代のコンテンツ発信に挑戦・実験している姿勢は素晴らしいと思います。
実はアップワーシーの共同創業者のひとりはもともとジ・オニオンに在籍していたりします。以下のスライドで少し触れているので、ご興味あれば。
Vox(ヴォックス)
ニュース解説サイトのヴォックスも入っていました。ワシントンポストの人気コラムニストのエズラ・クライン氏が新興メディア企業「ヴォックスメディア」へ移籍して立ち上げたことで話題となりました。
米大統領選の結果をピタリと当てることでも有名な統計家ネイト・シルバー氏の「FiveThirtyEight」や、ニューヨーク・タイムズの「The Upshot」などが競合にあたります。クライン氏はまだ30歳なのですが、これらのサイトと渡り合っているのはすごいなと思います。
ヴォックスは月間2000万人の読者を抱えており、同社のもついくつかのメディア合計では1.5億人いるとのこと。ヴォックスメディアは12月に4650万ドル(約55億円)の資金調達を実施し、評価額は3.8億ドル(約450億円)。ちなみにバズフィードの今年、5000万ドルを調達し、 評価額を8.5億ドルとしています。
Medium(ミディアム)
ブログプラットフォームのミディアム。メディアの輪郭でもいくつか書いています。コンテンツパブリッシャーとプラットフォームの絶妙な立ち位置が魅力的です。
先日発売された『WIRED Vol.14』には、「ウェブ上で最も美しい執筆の場」というミディアムのエヴァン・ウィリアムズ氏をはじめ、周辺も取材した記事が掲載されていました。デザインや技術のみならず、編集に力を入れているので今後がとても楽しみです。
このほかにも、サブスクリプション型音楽サービス「Spotify」で一度も再生されていない音楽を聴くことができる「Forgotify」が選ばれていたり、かなり有名どころでは6秒動画共有サービス「Vine」やアマゾンに買収されたゲーム実況の「Twitch」などもありました。
メディアにかかわる人は知っておいて損はないリストだと思いますので、ぜひチェックしてみてください。