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メディアの輪郭

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オウンドメディアで終わらない「弁護士ドットコムニュース」 国内外でニーズ高まる解説ジャーナリズム

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時事問題以外も扱う弁護士ドットコムニュース

10月に津田ブロマガで、弁護士ドットコムニュース編集長・亀松太郎氏へのインタビューがおこなわれていました。

9月9日、総合ニュースメディアとして、リニューアルされた「弁護士ドットコムニュース」。今回の津田ブロマガは弁護士ドットコムニュースの編集長の亀松太郎氏をお迎えして、弁護士ドットコムの運営方法や今後の展開そしてウェブメディアの未来がどうなっていくかをお伺いします。

亀松編集長に聞く弁護士ドットコム急成長の秘密 津田ブロマガ#27 - 2014/10/23 20:00開始 - ニコニコ生放送

弁護士ドットコムニュースと言えば、1記事の字数が1000〜1500字程度と読みやすく、前半に時事トピックのテキスト、後半に弁護士による解説が添えられているフォーマットが特徴です。このフォーマットは専門性が必要な分野では横展開が可能なものだと思います。

弁護士ドットコムニュースは法律に関するものがメインであるものの、メディア関連のニュースや書き起こしなども提供しています。

ニコ生で亀松氏は、「1年半運営してきて、さらに拡大させていくために、時事問題以外のものも扱うようにしている。しかし、(弁護士ドットコムの)アイデンティティが失われないように、『法律は社会にかかわるなんらかのことを解決するもの』と捉えて、社会にある問題やトラブルは取り上げていく」と話していました。

弁護士コメントを必要とする記事制作は、「企画会議」「導入部分を執筆」「導入部分を編集」「弁護士へコメントを依頼」「弁護士コメント部分を編集」「公開準備」といった6段階だそう(参照:編集長は会社に来ない? なぜ弁護士ドットコムは月100本もの良記事を作り続けられるのか | ベストチーム・オブ・ザ・イヤー)。

現在は300万人の訪問数ーーPV数より訪問者数を重視

いわゆるオウンドメディアにくくられる弁護士ドットコムニュースですが、以下の言葉は個人的に印象に残っています。

亀松:決して現状に満足していません。「“オウンドメディア”の中では頑張ってるね」と評価されることがありますが、オウンドメディアとして終わるつもりはありません(笑)。

オウンドメディアという意識はあまりなくて、個々の記事を作るときには、できるだけ多くの人に読んでもらいたいという意識で作っているんです。

弁護士を始めとする専門家の観点で、これまでのメディアとは異なった切り口で情報配信し、より信頼性を獲得できるメディアにしたいですね。ゆくゆくは日本を代表する「ネットメディア」として認知されるよう長期的な視点に立って育てていきたいと思っています。

編集長は会社に来ない? なぜ弁護士ドットコムは月100本もの良記事を作り続けられるのか | ベストチーム・オブ・ザ・イヤー

実際、数字もついてきているようです。「月100本以上の記事を配信し、月間のサイト訪問者数は1年半で140万人から、661万人と4倍以上に急成長している」(参照:「逆張り」メディア、弁護士ドットコム急成長の秘訣 :日本経済新聞)。弁護士ドットコムニュース単体では、月間訪問者数300万人ほど。PV数よりは訪問者数を重視しているとのことでした。

かゆいところに手が届く逆張りのメディア

しかし、課題もあります。たとえば、弁護士によって見解も違うので、信用性の担保は難しいということ。現状は基本的には(対象分野の専門性を有する)ひとりの弁護士にコメントをもらうというかたちをとっています。

とはいえ、このあたりはコストがかかるため、しょうがない部分もありそうです。それよりもこのメディアを専従スタッフ6名(+アルバイト)でつくりあげているほうがすごいと思います。スタッフは新聞経験者と法律に専門性をもつ人が半々とのこと。

大手メディアの手が回っていないトピックや情報、いま流行のキュレーションやプラットフォームではなくニュースをつくる逆張りのメディアとして、かゆいところに手が届く存在となりつつあります。亀松氏はしばらくは弁護士ドットコムニュースを大きくしていき、新しい展開にも挑戦していくようです。

国内ではほかにもヤフー子会社によるTHE PAGE(ザ・ページ)などは解説寄りのメディアとして運営を続けていますし、東大大学院生らを中心に運営されるCredo(クレド)なども外部メディアに多数配信するなど存在感をみせています。海外では解説ジャーナリズムのプレイヤーが増えているので注目の分野です。

また、ニコ生では朝日新聞記者時代、J-CASTニュース時代、ドワンゴ時代"以外"の時期の話も多くされていました。「【記者100人の声】亀松 太郎さん 弁護士ドットコムニュース」という記事でも少し触れられていますので参考までに。

最後に、これからのメディアを考える際、弁護士ドットコムニュースの手法や姿勢から新しいメディアやジャーナリズムの可能性が生まれるような気がします。これからもウォッチしていきたいです。