メディアの輪郭

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メディアの作り手が一度は観ておきたい3つの講演・トークセッション

 以前、「Web編集者やジャーナリストが参考にしたい5つのスライド」という記事を書き、多くの方に読んでいただきました。今回は、メディアの作り手が一度は観ておきたい3つのセッションを紹介します。

メディア・イノベーションがもたらす社会(G1サミット

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まず最初に紹介するのは、「現代ビジネス・瀬尾氏×スマートニュース・藤村氏×ユーザベース・梅田氏 メディア・イノベーションがもたらす社会」というG1サミットのセッション。

既存メディアが軒並み苦戦を強いられる中、WEBメディアやニュースアプリは、今や百花繚乱の相を呈している。ソーシャルメディアの台頭によって、無数の個人が情報発信を行うようになり、情報源のロングテール化は、メディアに求められる役割を変容していく。スマホタブレットの普及が進む中、新旧メディアはどのように融合し、情報伝播の形はどのようにその姿を変えるのか。「SmartNews」、「NewsPicks」「現代ビジネス」--話題のメディアの仕掛け人たちが語る「新たなメディア」。

ポイントについては「メディア仕掛け人たちが語る『新たなメディア』ーー11のキーフレーズを紹介」という記事でも紹介しました。以下に箇条書きで記します。

  • 発見と理解の欲求
  • 埋没した問題と新しい才能の発掘
  • 稼げるジャーナリズム
  • アグリゲーションとキュレーション
  • ヤフトピの次
  • 独自の編集部をつくる
  • 課金とネイティブ広告
  • 良いコンテンツをつくることとコンテンツを届けることの社会的価値がイコールになりつつある
  • 投資の対象としてのニュースメディア
  • 数字に縛られないモデルを
  • 経済メディアとして「深さ」で勝負する

 

メディアの伸ばし方・稼ぎ方(IVS)

IVS2013Kyotoで開催された、東洋経済オンライン編集長の佐々木紀彦氏と株式会社nanapi代表の古川健介氏のセッション。

ログミーの「“だれでもメディア時代”に編集とメディアはなにができるのか? – 東洋経済×nanapi対談」という記事でまとまっています。

スマホ時代のメディアやコンテンツ、ネット企業と伝統メディアのコラボ、ビジネスモデル、パッケージング、個人のブランド力、これからの編集まで、話が及びます。

佐々木:私はAmazonが面白いと思っていまして、ニュース版のiTunesみたいなのができるんだろうなと思っています。例えばAmazonは優秀なニュースの編集者だけを雇って、そこがプラットフォームを握り、そして、その人たちが優秀なジャーナリストとつながっていって、ジャーナリストはAmazon向けに書くと。そこで読者のかたは、サブスクリプションモデルのような形で、例えば3000円ぐらい払えばその中から自分が読みたい記者のものであるとか、そういうものを全部組み合わせて読めるような形で。ネット企業がメディア企業になり、そこが編集者だけ雇っていくんじゃないかなという気が、個人的にはするんですけど。

 

古川:2~30年後だと難しいなと思っていて、二つあると思っています。1つが今、佐々木さんがおっしゃったようなジャーナリズムを持った個人がどんどん台頭してきて、個人に価値がある時代。あと一方は、個人で情報発信をしているけどそういうのをあまり意識しない層というのが、出てくるんじゃないかなと思っています。例えばGoogle Glassをつけていて、何かの事故現場に遭遇した人がすぐに写真をとってアップできますと。そうすると、ストレートニュースというのはほとんど個人で賄って、しかもそこは、素人でもいいというのが出てくるんじゃないかなと。素人でも、客観的事実を出せる場所と、それを解釈して、咀嚼してメッセージを伝えられる人っていう、二分化されていくんじゃないかなというのが、2~30年後の世界かなと。

“だれでもメディア時代”に編集とメディアはなにができるのか? – 東洋経済×nanapi対談 | ログミー[o_O]

また。二人が注目するメディアなども知ることができるので、ぜひ見ておきたい、読んでおきたいセッションです。 

 

これからの編集者と働き方(Social Media Week Tokyo)

今年のSocial Media Week Tokyo(ソーシャルメディアウィーク東京)に登場した作家のエージェント会社コルク代表の佐渡島庸平氏の講演。

人間の中で時間の感覚が変わること、ストーリーの時代、ネット上でのマネタイズの道をつくること、ネットはまだ"仮の姿"でしかない、などメディアづくりにおいて念頭に置きたいことの本質に迫る内容です。

すべてのコンテンツに対してストーリー付けをしていくことが今の編集者の仕事。ライターやジャーナリスト、デザイナー、アーティストなど、多様な人材が関わってくる中で、それぞれのメディアに合った形で組み直していくこと。それが"編集ではないか 

「ネット上の新しいエンターテイメントを生み出すことが編集者の仕事」---佐渡島庸平氏が語る「これからの編集者と働き方」という記事でレポートしていますので、概要だけつかみたい方はご覧になってみてください。