データジャーナリズム中心の調査報道に挑むーードイツ版プロパブリカ「CORRECT!V」

海外では、ネット発の調査報道メディアというものがいくつかあります。一番有名なのはおそらく2007年に設立されたプロパブリカでしょう。毎年1000万ドル(約10億円)ほどの寄付を受け、調査報道やデータジャーナリズムに取り組んでいます。
2010年にオンラインメディア初となるピューリッツァー賞を受賞。ニューヨーク・タイムズやワシントン・ポストなど100以上のメディアとパートナーシップを結び、公益性の高い報道を多くの人に届けています。
今回紹介するのは、ドイツ発の非営利の調査報道メディア「CORRECT!V(コレクティブ)」です。扱うトピックはヨーロッパのことなのですが、まさにプロパブリカ的なアプローチと言えます。
Brost Foundationから、100万ユーロ(約1.3億円)ほどの寄付を受け、データジャーナリズムを用いて、調査報道をおこないます。この資金は3年間の活動費です。
プロパブリカでは、大手メディアと連携して、調査報道を広く伝えていますが、コレクティブの場合も、テレビ局やラジオ局と提携してるとのこと。現在は7名体制ですが、年内に20名へと拡大予定。
ローンチ前には、プロパブリカやGlobal Investigative Journalism Networkなど非営利の調査報道機関とも議論をしたそうです。ドイツ初の非営利調査報道メディアとして、どのようにデータジャーナリズムを活用して、調査報道をおこなっていくのか期待したいですね。
プロパブリカは、「Data Journalism Awards 2014」のファイナリストに最多の13個の報道が残るなど、大手(伝統)メディアを含めても、一番データジャーナリズムを効果的に活用できています。
今回のコレクティブはドイツですが、オランダでも骨太なコレスポンデントというメディアが注目を集めており、ヨーロッパのメディア環境もとても興味深いです。
たった8日間で15000人以上から100万ユーロ(約1億3,000万円)もの創設資金を集めた「De Correspondent(コレスポンデント)」というオランダの新興メディアがある。コレスポンデントとは「特派員」という意味だ。
スピーディーで消費的なメディアではなく、寄稿者が特定のテーマを掘り下げていく「スロー・ジャーナリズム」を実践する。広告は掲載せず、年間購読料60ユーロ(約8,000円)という価格の課金制を採用している。
オランダの新興メディア「De Correspondent」が注目される理由とは? オランダ大使館 バス・ヴァルクス氏に聞く
調査報道メディア「プロパブリカ」のデータ販売額、3万ドルを突破

非営利の調査報道メディア「プロパブリカ」は、2014年3月にデータセットを販売するデータストアをスタートしました。
「The ProPublica Data Store」では、プロパブリカがデータクリーニングし、加工・分類・整理したデータセットを、ジャーナリストおよび学術研究者に対し、有償で提供している。プロパブリカでは、調査報道において、政府のデータを数多く利用してきたが、データセットのクリーニングや統合などに膨大な労力を費やしているのが現状だ。そこで、実質的な解析が可能な状態となったデータセットを安価で提供することにより、他のジャーナリストや学術研究者の調査・研究を後押ししようと考えている
開設から5ヵ月が経ち、200〜1万ドルほどの価格帯で販売されるデータセットが500以上がダウンロードされています。その売上は3万ドル(約300万円)を超えているとのこと。
現状は、医療業界からのデータ購入が多いようです。「Dollars for Docs」のような報道もおこなっているので、うなずけます。医療や不動産、金融、政治などが主なターゲットになっていくのではないでしょうか。
データを売ることのできるメディアというのは、なかなかの差別化になりそうですし、プロパブリカは、毎年1000万ドル(約10億円)ほどの寄付を受けて活動しているため、このデータストアの収益が増えていくと、より幅広い活動の展開資金となるかもしれませんね。
The Texas Tribune Fellowships • Capturing Value: Data Journalism as a Revenue Supplement