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メディアの輪郭

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「メディア×EC」の好例ーー1億ドルの利益を見据えるニュースレター企業「Thrillist」

Thrillist メディア EC ニュースレター

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300万人の購読者、1億ドルの利益

2005年、ニューヨークに住む人600人に向けてはじまった、男性向けのニュースレターサービス「Thrillist(スリリスト)」 や運営会社について、米WIREDにて詳細に伝えられていたので、かいつまんで紹介します。立ち上げ1年で3万人の購読者を抱え、2008年にはニューヨーク中心から7都市に拡大し、500万ドルの利益をあげるまでに成長したメディアです。

リリストを運営するThrillist Media Groupはほかにも2つのニュースレターサービス(後述)をもっており、合計すると1000万人もの購読者をもつほどのメディア企業なのです。2011年には4000万ドルの利益、2012年にはおおよそこの倍に成長、そして現在は、300万人以上の購読者がおり、2014年は1億ドルの利益を見込んでいます(バズフィードと同じくらい)。

マネタイズの核となっているのは、ECです。記事などでライフスタイル用品やファッション用品に導線を引くとともに、ショップも設け、メディア内で完結できます。メディアとECの融合がどのようになっていくのかは今後のメディアにおいて注目のトピックですが、スリリストは好例です。

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マネタイズ:広告からECへのシフト

メディアとして魅力的なテーマ性をもったコンテンツを発信し、読者と継続的にゆるやかにかかわっていくなかで、少しずつコミュニティが形成され、メディアとしても信頼されていくことで、ECでの購入につながるという流れなので、バナーなどの広告でのマネタイズよりは圧倒的にユーザーの体験にかかわることができるので、メディア運営としても有意義に感じます。

リリストが意外なのは、2005年〜2009年までは広告を販売することで売上を伸ばし、800万ドルほどの利益を売り上げるまでになっていたのにかかわらず、ECにシフトしたこと。

2010年には「JackThreads」という期間限定で割引価格の商品を販売するフラッシュセールサイトを立ち上げ、これがメディア企業としての売上に貢献したのです。そこからスリリストでもメディアにECを組み入れ、広告からECへのシフトを図っていきました。

その後、「Supercompressor」というニュースレター&ブログを立ち上げ、ライフスタイルとテックをテーマに、ガジェットやファッションアイテムなどを販売。このようにメディアとECの融合を進めつつ、メディア企業として目指すところは5億ドルの規模感を目指すとのことで、引き続き注目したいです。

メディア→EC/ブランド→メディア

リリストはメディアからECというアプローチですが、ECやブランドがオウンドメディア的にユーザーの購買を促進していく方向もあります。スリリストの場合は、男性のライフスタイルにかかわるさまざまなものを売っているので、ブランドが運営するオウンドメディアなどよりも、おそらく利益のケタが違うのではないでしょうか。

今回紹介したスリリスト以外にも、アメリカではそのほか、月間読者700万人、2000万PV超のファッションマガジン「Refinery29」やライフスタイルメディア「Brit + Co」など有力なプレイヤーが揃っています。女性向けメディアを運営する方々にとって、上記2つのメディアは参考になる部分が多いと思います。

日本でもほぼ日刊イトイ新聞(ほぼ日)を運営する東京糸井重里事務所は、売上高28億円、純利益3億円という数字を生み出しており(参考記事)、今年は表参道に「TOBICHI」という店舗を構えたりと、リアルにも接続しています。メディアとECの融合、さらにはコミュニティへの展開などは引き続き追いたいテーマです。