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メディアの輪郭

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調査報道を後押しする海外のクラウドファンディングサイト5選

メディア ジャーナリズム 調査報道 クラウドファンディング

海外で盛んになっている調査報道。新聞社の資金繰りが苦しい中で、長期間取材をして、価値ある記事を出していくことは(個人)ジャーナリストにとってお金がかかることです。

バイラルサイトの代表格「バズフィード」では2013年秋あたりから調査報道にも非常に注力しはじめ、テックメディア「PandoDaily」も調査報道に乗り出しています

アメリカの非営利メディア「プロパブリカ」の調査報道は、2010年、2011年と2年連続でピューリツァー賞を受賞していますが、近年では上記のような新興メディアの調査報道の注力が目立ってきています。

しかしながら、ジャーナリストが特定のトピックを長期間追っかけるのが資金面からもなかな難しいです。そんな中、海外では調査報道に特化したクラウドファンディングが登場していますので、5つのサイトを紹介します。

1. vourno

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ビデオジャーナリズムに特化したクラウドファンディングサイト「Vourno」。ネーミングの由来は、「Video」と「Journalism」からなる造語です。

一般的なクラウドファンディングと同じ仕組みで、ジャーナリストは、報道プロジェクトを投稿することで、一般の方々から必要な資金を募ることができるというもの。

特徴としては、プロジェクトを通じて、つくられた動画コンテンツはが、「Vourno」の上で配信され、閲覧したユーザーがコンテンツの内容や質を評価できる仕組みも導入されています。

2013年春にアメリカでローンチ以来、カナダ、イギリス、アイルランドでもスタートし、今後はオーストラリアやベルギー、ドイツなど世界中における市民ジャーナリズムを押し進めることを計画中とのことです。

https://www.vourno.com

 

2. Spot.us

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次に紹介するのは、市民ジャーナリズムを促進するクラウドファンディングサイト「Spot.us」です。

市民自身やジャーナリストが記事アイデアを売り込み(提案し)、それに対し、地域の人々がクラウドファンディングを通じて出資するというコミュニティ・ジャーナリズムサービス。

読みたいことをアイデアとして提案し、読みたいものにお金を出し、ローカルメディアが記事をつくり、元々小さなアイデアだったものが実際に読むことができるようになるという素晴らしい仕組みです。

記事はまず、Spot.usで公開され、その後ローカルメディアと協力し、もっと多くの人に読んでもらうためにするという流れになります。 現在では、21,700以上の市民に支えられ、110以上のメディアと協力して機能している非営利のジャーナリズムのプラットフォームとなっています。

簡単に言えば、「何を伝えるか」を市民が決め、「どのように伝えるか」をプロのジャーナリストが受け持つ仕組みになっています。これによって、今まで表に出ていなかったり、これまでに語られていない記事がクラウドファンディングによって生まれることになります。

http://spot.us

 

3. emphas.is

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「Emphas.is」は、、フォトジャーナリズムを押し進めるクラウドファンディングプラットフォームとして運用されていました(貴重なサイトだったのですが、2013年夏に破産してしまったとのこと)。

仕組みについては、ジャーナリストは企画書とそれにかかる経費を公開し、支援を募るというもの。最終的な記事などの成果物は、サイト上にも掲載され、提携しているメディアパートナーにも配信される仕組みです。

また、プロジェクトによっては、実際に取材内容を本にもできました。なくなってしまったのが惜しいサイトでした。

http://www.emphas.is

 

4. Uncoverage

 

最近登場したのがクラウドファンディングサイト「Uncoverage」です。 これは上記で紹介してきたサイトと同じで、ジャーナリストと支援者(読者)をつなぐプラットフォームとして利用できます。

取材したいトピックを投稿することで、興味を持った支援者からお金を募る仕組み。特徴的なのは、支援が月額制で支払われるルールとなっているので、できるだけ持続可能な取材活動ができるようになっています。

ちなみに、Uncoverage自体の資金を海外大手クラウドファンディングサイト「Indiegogo 」で集めている最中です。

http://signup.uncoverage.com

 

5. Beacon Reader

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「Beacon Reader」は、応援したいライターやジャーナリストを月額5ドルから応援できるプラットフォーム。海外ではネットフリックスのライター版とも言われているのだとか。

7万ユーザーがおり、20万本のストーリーが投稿されているとのこと。日本でもコミュニティ運営をする「hopp(ホップ)」などはありますが、ライターやジャーナリストに特化したプラットフォームは日本でもほしいですね。

http://www.beaconreader.com

 

ジャーナリズムを支えるクラウドファンディング事例が続々登場

今回紹介したクラウドファンディングサイト以外でも、ジャーナリズムに特化していないサイトで資金調達をしている事例がいくつもあります。

深い論考を毎月発信するオンラインジャーナル「MATTER」や世界のポジティブな動きを特集していく『Tomorrow Magazine』などは世界最大のクラウドファンディングサイト「Kickstarter(キックスターター)」で資金調達に成功しています。

一方で国内に目を向けてみると、わずかに雑誌創刊やメディア立ち上げ、海外への取材プロジェクトにお金が集まる事例が出てきていますが、まだまだこれからといった感じです。引き続き、市民が支えるジャーナリズムの形については追っていきたいと思います。