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ピューリッツァー賞受賞記者、栄光引っさげ「バズフィード」に移籍

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非営利団体で調査報道、ピューリッツァー賞獲得

今年のピューリッツァー賞にて、調査報道部門を受賞した非営利団体「The Center for Public Integrity」のクリス・ハンビー氏

炭鉱労働者たちが長期間にわたり粉塵を吸い込んだことでかかった炭塵肺について、弁護士や医者らが鉱夫たちの給付金に対する支払いを拒否するように不正を働いていたことを報道し続け、同団体初のピューリッツァー賞を獲得しました。

そんなハンビー氏ですが、このメディアでも度々書いているバイラルメディア「バズフィード」の調査報道部門へと移籍するとのこと。とても楽しみな動きです。

テクノロジーに強い新世代の記者

彼の経歴などは島田範正氏による「NPO報道機関がピュリツァー賞なんてもうニュースじゃない?!」という記事で言及がありますので、紹介します。

ただし、今回受賞したChris Hamdy記者は、ちょっと変わり種で、LinledInにある彼自身の書き込みでは、大学1年から地元紙でインターン記者を始め、ミズーリ大学大学院時代にはでcomputer-assisted reportingを学び、同時にdatabese libraryでも働いていたそうで、修士を取得後の2010年、すぐのCPIに参加した、コンピュータ活用に抜群に強い新世代の記者のようです。CPIは、そうした気鋭の若者を惹き付ける存在でもあるのですね。

彼のツイートによれば、一ヵ月前から移籍は決まっており、今回のピューリッツァー賞受賞は移籍とは関係ないとのこと。しかしながら、バズフィードの硬派なニュース発信に期待が高まる話題ですね。

硬派なチームを形成していくバズフィード

バズフィードは、2011年末にポリティコの政治ブロガーBen Smith氏を編集長に迎え入れ、2013年10月末には、調査報道で知られる非営利メディア「プロパブリカ」のMark Schoofs氏が加わりました。

彼は2011年にプロパブリカに入り、それ以前はウォールストリートジャーナル紙で、それ以前にはThe Village Voiceに在籍しました。The Village Voice在籍時代の2000年には、アフリカにおけるエイズに関する報道で、ピューリッツァー賞を受賞しています。

移籍した理由は、「バズフィードがアメリカの伝統的なジャーナリズムとデジタルの融合を図りたいと考えていること」「調査部門をイチから立ち上げることにチャレンジしたい」という2つを挙げ、調査報道部門を立ち上げました。このチームにハンビー氏が加わるのです。

今年に入ってから、ロサンゼルスタイムズやウォールストリートジャーナルの記者などがバズフィードに加わっています。ハンビー氏は5月から稼働しているようですが、コンゴのバズフィードの戦略が気になるところです。

 

(写真:capitalnewyorkより)