米政治メディア「ポリティコ」が紙雑誌「Politico Magazine」を発行ーーバンク・オブ・アメリカをスポンサーに深い論考記事を届ける

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政治メディア「ポリティコ」が隔月で紙雑誌を発行する

2013年11月15日、アメリカの政治ニュースサイト「ポリティコ」が、紙雑誌「Politico Magazine」を発行しました（無料配布）。ウェブでもコンテンツを展開し、紙では隔月で発行していくとのことです。

これまで「POLITICO.com」では、「drive the conversation」をテーマに市民が政治トピックについて話してもらうような状況づくりを目指して、首都ワシントンで起きている政治ニュースを発信してきました。

概要については以下の動画も参考になります。

POLITICO: Our Story from POLITICO Marketing on Vimeo.

さらに影響力をもつメディアを目指して

2007年の立ち上げ以来、200名以上の記者を抱えて発信してきて、あえていま、紙雑誌を発行。編集者には外交雑誌として名の知れている「Foreign Policy」の元編集長Susan Glasser氏を据えています（女性編集者でポリティコには6月に転職／オピニオン部門に配属されていた）。彼女の獲得＝紙雑誌のスタートだったというわけです。

元々ポリティコは、速報ニュースや分析を加えて記事で人気を得ていましたが、さらに影響力をもつメディアになるためにも紙を選択したのです。

また、最近ではバイラルメディアの急成長もある一方で、深く長い論考系の記事（Longform Journalism）が勢いづいていることなども背景としてあります。

バンク・オブ・アメリカが紙とウェブのスポンサーに

では、今回の雑誌がどのようにして、お金のかかる長い記事を出していくのか。

それは、スポンサーの存在です。今回はバンク・オブ・アメリカがスポンサードしていることで、紙雑誌で深い論考記事を読めます。ポリティコCEOのVandeHei氏は、紙でクオリティの高い記事を出していくことで、読者と広告は自然についてくるという考えを持っているのです。

今回の雑誌はバンク・オブ・アメリカがスポンサー（ウェブマガジンにも出資）ですが、次回以降もコカコーラや石油会社でスーパーメジャーの一角シェブロンなどもスポンサーとして決まっているよう。

気になる雑誌のカバーストーリーは「Locked in the Cabinet」というもの。50ほどのインタビューをふまえ、これまでのオバマ政権について特集した記事で、ポリティコ史上一番長い記事だそうです。このような論考・分析記事をじっくりと発信し、着実に読者をつけていくことで、また新しいポリティコの影響力が生まれていくことでしょう。

ウェブと紙メディアを柔軟に使いこなす「ポリティコ」

発行部数は4万部で、無料配布するとのこと。また、ウェブメディアも同時に立ち上がっており、毎日雑誌の記事が更新されていくようです（「The Friday Cover」という週間メルマガもあります）。

雑誌デザインはシンプルでミニマムなものを意識しており、パンチのきいた記事や広告にじっくり目を向けることができるようになっているそうです。ウェブデザインについてもレスポンシブWebデザインを採用し、どのデバイスでも読みやすくなっています。

ポリティコの紙メディアに関しては、平日発行の新聞に加え、年4回発行の無料雑誌「Politico Pro: A Policy Magazine」などのあり、棲み分けなどは気になるところです。

ちなみに今回の「Politico Magazine」はワシントン全域と、主要都市などで配布される予定とのこと。スターバックスなどでも手に入るそうですよ。引き続き、反響などにも目を向けていきましょう。

1st print version of @POLITICOMag out today, sponsored by @BofA_News. Get at @Starbucks & news boxes in D.C. http://t.co/X6AZyPNfP2
— POLITICO Magazine (@POLITICOMag) November 14, 2013