メディアの輪郭

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「激変する音楽業界」と「新しいヒットの方程式」を探る本『ヒットの崩壊』

編集を担当した『ヒットの崩壊』(講談社現代新書)が11月15日に発売されます(新書版240ページ)。Kindle版も昨日から予約がはじまりました。 著者は音楽ジャーナリストの柴那典さん。「激変する音楽業界」と「新しいヒットの方程式」をテーマに半年以上か…

YouTubeの戦略「スリーH」とは/Antennaがラジオに番組提供する理由――プラットフォーム群雄割拠のいま

毎週通っている池袋ジュンク堂の雑誌コーナーをのぞいていたら、ビデオリサーチが発行している雑誌『Synapse(シナプス)』を見つけたので買ってみました(ビビッドなピンクが目立っていました)。特集は「プラットフォーム群雄割拠」。 動画系プラットホー…

プラットフォーム優位の時代、コンテンツ側はどう考えればよいのか?

川上量生さんが書かれた『鈴木さんにも分かるネットの未来』(岩波新書)を読みました。この本はネットとはなにか、その真の姿や未来について書かれたもの。特に印象的だったのは、コンテンツ側がいかにプラットフォーム側と付き合っていくのかという点です…

文章が書けない理由は「遅い」「まとまらない」「伝わらない」――ナタリーに学ぶ、"完読される"ライティング術

「書くことはあとからでも教えられるが、好きになることは教えられない」 とても久々にライティングの本を読みました。手に取ったのは『新しい文章力の教室 苦手を得意に変えるナタリー式トレーニング』。著者はナタリー運営のナターシャ取締役の唐木元さん…

「本を楽しんでいる時間は共有しづらい」——新しい本との多様な出会いをつくるということ

今年に入ってからブログで本を紹介することが増えたのですが、先日、本と出会うiPhoneアプリ「Stand」について取材することができました。StandはiOSアプリで、非常にシンプルな設計の本のアプリ。 「理想はいろんな本好きが共存できる状態」---井上隆行氏と…

「答えを押し付けない」「関心外にも目を向けさせる」——メジャーに挑むクリエイターたちのマーケティング論

(Photo by Rayi Christian Wicaksono/Creative Commons Zero) 「『メジャー』を生みだす マーケティングを超えるクリエイターたち」という本を読みました。概要は以下の文章の通りですが、特定のニッチ層だけでなくメジャーの担い手である若く、ふつうの…

ページめくりからスクロールへ——紙と電子を行き来する人物が語るデジタルコンテンツ体験の課題

『ぼくらの時代の本』を上梓した作家・デザイナーのクレイグ・モドさん、家計簿アプリ「Zaim」代表の閑歳孝子さんが登壇したイベント「ぼくらの時代のデザインと技術」に参加してきました。 クレイグさんはもともと自分で出版社を立ち上げ、できるだけ美しい…

クリエイティビティは作者ではなく環境に宿る? コンテンツから偶然の出会いを仕掛ける必要性

(Photo by Lance Anderson/Creative Commons Zero) ソーシャルゲームにおいて最もクリエイティビティが注ぎ込まれているのは、「ユーザーにゲームをやめさせない」ためのシステム ソーシャルメディアやまとめサイトなど情報が半ば自動的に生成されるプラ…

コンテンツやコミュニケーションの決定権が受け手にある時代、それでもメディアで人を動かしていくためには?

(Photo by Aleks Dorohovich/Creative Commons Zero) 「盲目的なメディア横断×リーチ拡大志向は誤り」 ブルーカレント・ジャパン代表の本田哲也氏と、LINE株式会社 上級執行役員の田端信太郎氏による共著『広告やメディアで人を動かそうとするのは、もう…

コピーできないウェブコンテンツづくりに必要な考え方とは? 『WIRED』創刊編集長ケヴィン・ケリーの視点

(photo credit: Kevin Kelly — photo by Per Axbom via photopin) 雑誌『WIRED(ワイアード)』創刊編集長を務めたケヴィン・ケリー氏によるエッセイ25本を収録した『ケヴィン・ケリー著作選集 1』を読みました。彼はLong Now Foundationの役員を務めてい…

ウェブメディアは熱さと愛の方向・深さがカギ? 情報があふれるなかで「わざわざ」読んでもらうために

(Photo by Tim de Groot/Creative Commons Zero) 「ブログで面白いのは、何かに対してものすごく『愛』があるか、『憎しみ』があるかがはっきりしている人」 「コンテンツよりプラットフォームの寿命が短い時代にメディアが求められること」という記事で…

コンテンツよりプラットフォームの寿命が短い時代、メディアに求められること

(Photo by Matthew Smith/Creative Commons Zero) 『インターネットが普及したら、ぼくたちが原始人に戻っちゃったわけ』という本を読みました。企業のコンテンツマーケティングを手がけるインフォバーンCo‐CEOの小林弘人さんと日経ビジネス プロデューサ…

クチコミから流行を生み出す6原則とは? 感情や物語、トリガーなどをコンテンツに組み込む重要性

(photo credit: Olivia Chow's Community Art Project - Screwed Out of Our Share via photopin) クチコミになり流行するもの・ことに共通する点はどのようなことなのか。ほかのモノと比較して優れているものや価格設定なども、特定のものが広まる要因と…

流行は20年周期で訪れる/キャラとプロデューサー視点を兼備した強さ

先日、ゲンロンカフェで開催された、 「J-POP IS OVER?――佐々木敦『ニッポンの音楽』刊行記念イベント」に参加してきました。『ニッポンの音楽』を上梓されたばかりの佐々木敦さんに音楽ジャーナリストの柴那典さん、音楽ライターの南波一海さんがJ-POPを語…

「コンテンツとは、わかりそうで、わからないもの」——人を惹きつけるコンテンツのつくり方とは?

「コンテンツとは、わかりそうで、わからないものである」 KADOKAWA・DWANGO代表取締役会長の川上量生氏が2013年に出した『ルールを変える思考法』という本を読みました。主にメディアやコンテンツにかかわる、第3章「人を惹きつけるコンテンツのつくり方」…

良質な情報消費が良質なメディアコンテンツをつくる? バイラルの先のメディアに問われること

毎号購入しているハイパーローカルなシティカルチャーガイド『TOmagazine』。つい最近発売されたばかりの墨田区特集号も読みました。自分が住んでいない区について独特のアングルで切り取られるディープな内容が好きなのですが、今回はメディアのトピックが…

読者が絞り込まれた価値あるメディアづくりには、「声なき声」に耳を傾けることが大切

「Chikirinの日記」というブログを書かれているちきりんさんの『「自分メディア」はこう作る! 大人気ブログの超戦略的運営記』という本を読みました。 「考えたこと、書いたことをそのまま受け止めてほしい」 インプットよりアウトプットが好きで紙の日記帳…

新しいメディアが人間や環境にもたらす影響を考えるためのキーワードとは?

(photo credit: POLISEA via photopin cc) 「いかなる技術も徐々に完全に新しい人間環境を生み出す」 『今こそ読みたいマクルーハン』を読みました。大学生時代にメディアや情報関連の授業で一通り習った記憶があるのですが、すっぽり抜けているので復習。…

「ニッチ狙い」「素人活用」「ガチ感」——テレビ東京がおもしろい理由

2014年12月の総選挙時には「池上彰の選挙スペシャル」がいつものように話題となったテレビ東京。「ゴッドタン」や「YOUは何しに日本へ?」「逆向き列車」などエッジの利いた比較的新しい番組もあれば、「TVチャンピオン」「ASAYAN」などの素人の才能発掘系の…

ウェブコンテンツ制作でますます重要になる「時短」と「時間を速くすること」

「広告とコンテンツの融合に解決の糸口がある」 LINE株式会社 広告事業部 チーフプロデューサー・谷口マサト氏は広告が見てもらえないという課題解決のアプローチとして上記の言葉を掲げています。そんな谷口氏の著書『広告なのにシェアされるコンテンツマー…

「記事をじっくり読めば、価値が伝わるはず」という考え方はダメ? 伝わる文章を書くために必要なこと

『プロ書評家が教える 伝わる文章を書く技術』という本を読みました。「ライフハッカー日本版」で書評を書かれている印南敦史氏による著書です。 著者は書評を書くにあたり、プレスリリースを見ないで、読者がどう感じるか、伝えたいことが伝わるかどうかを…

これからのメディアづくりに重要となる「編集デザイン」という新しい武器

編集という言葉、デザインという言葉、どちらもよく見聞きする言葉ですが、「編集デザイン」という言葉は聞き慣れません。 この言葉を知ったのは、フィルムアート社から出版された『これからのメディアをつくる編集デザイン』という本を読んだことがきっかけ…

ウェブメディアにおける「ブックエディター」という役職ーー急成長中のメディア「BuzzFeed(バズフィード)」、本のキュレーション&レビューを開始

月間読者8000万人を超えるウェブメディア「BuzzFeed(バズフィード)」 2006年にハフィントンポストの共同設立者Jonah Peretti(ジョーナ・ペレッティ)氏らが中心となって立ち上げたウェブメディア「BuzzFeed(バズフィード)」。 フェイスブック上において…