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日本版バズフィード編集長が発表されたけれど、他国版の編集長は一体どんな人たち?

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10月16日、日本版バズフィード(媒体名は未定)の創刊編集長に元朝日新聞記者の古田大輔さんが就任したことが発表されました。リリースは今冬を予定。古田さんは東南アジア特派員、シンガポール支局長を経て、朝日新聞デジタルの編集者になった人物。「withnews」でニュースアプリやネットメディアについて精力的に取材・執筆をされていました。 

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(日本版バズフィード創刊編集長・古田大輔さん)

伝統的なメディアの最良の部分とインターネットの文化やテクノロジーを融合させる。そして、良質なニュース&エンターテインメントを世界中のより多くの人々に提供し、シェアしてもらう。これがBuzzFeedの目標です。日本の編集部から国内のみなさんにコンテンツを届けるだけでなく、世界にも発信していきたいと思います(古田さんのコメント)

バズフィードは、月間訪問数2億人を数え、動画の再生数も月間15億回を超えるネットメディア。プレスリリースには「オリジナルニュース、エンターテインメントコンテンツやビデオコンテンツの制作、配信を行うグローバルメディア企業。広告の領域においても、ソーシャルメディアへの最適化とテクノロジーに基づいたコンテンツ重視の制作方針を明確にし、新しい広告のあり方を提唱しています」と書かれています。

2006年の創刊以来、バズフィードはアメリカ、イギリス、オーストラリア、ブラジル、カナダ、ドイツ、スペイン、フランス、インド、メキシコに展開。バズフィード編集長はポリティコ出身のBen Smithさんです。おかげでネコ記事やリスト記事が多かったバズフィードにニュース記事が増えていったのです。

このブログ記事では、世界に広がるバズフィードの各国編集長(Founding Editorや地域によってはEditorを含む)がどんな人たちなのかを見ていきたいと思います。

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バズフィードより)

イギリス:Janine Gibson 

2015年6月、イギリス版編集長に就任したのが元ガーディアン米国版編集者のJanine Gibsonさん(1972年生まれ)です。ガーディアン時代にはスノーデン報道にもかかわっていました。

イギリス版自体は2013年3月のスタートでしたが、編集長を置くことで多くの読者を取りに行く、グローバル展開への注力が明らかに見える発表でした。編集長就任時にイギリス版は月間1800万訪問数という規模感です。50名ほどのスタッフをたばねる編集長が女性というのがいいですね。

オーストラリア:Simon Crerar

2013年9月にオーストラリア版編集長となったのがSimon Crerarさんです。News Corpオーストラリア版にてビジュアルストーリーエディターからの転身です。紙もネットも経験しています。

ちなみにオーストラリアは人口2300万人ほどのうち、フェイスブック利用者が1400万人を超えており、この高普及率から、バズフィードと相性のよい国ということができそうです。

ドイツ:Juliane Leopold

イギリス版に続いて2014年にローンチしたドイツ版も女性編集長です。Juliane Leopoldさんは、ドイツ最大規模の週刊紙「Die ZEIT」のオンライン版「ZEIT ONLINE」にてソーシャルメディアエディターを務めていた人物。ドイツ版の規模は月間300万訪問数を超えています。

フランス:Cecile Dehesdin

フランス版編集長も女性。さらには20代です。ルモンドやポリティコなどのインターン、Slateのフランス版などを経てバズフィードへ。フランス版は現状、およそ月間200万訪問数です。

カナダ:Craig Silverman

2015年4月にカナダ版の編集長になったのがCraig Silvermanさん。コロンビア大学のジャーナリズム研究機関を経て、メディア好きにはおなじみのメディア「Poynter」などにも寄稿しています。『Mafiaboy』『Regret the Error: How Media Mistakes Pollute the Press and Imperil Free Speech』などの著書もあります。

スペイン:Alfredo Murillo

スペイン語版の創刊編集長はAlfredo Murilloさん。Hail! Popというカルチャーサイトの編集をしていた人物です。バズフィードではスペイン語版のローンチをすすめる一方で、南北アメリカ大陸やカリブ海などスペイン語圏に向けてサイトはすでにあります。

このリージョナルディレクターを務めるのは、Conz Pretiさん。1983年生まれの女性です。コロンビア大学大学院ジャーナリズムスクールを終了後、UnivisionやMashableなどのニュースサイトで経験を積みました。

メキシコ:Javier Aceves

2015年3月からメキシコ版の創刊編集長にはJavier Acevesさんが就任しています。コピーライター、編集者、コンテンツディレクター経験をもち、フリーランスとしても長く活動してきました。ヴァイスなどでもコラムを書いているとのことです。

ブラジル:Manuela Barem

ブラジル版は2013年からあり、語学学習プラットフォーム「Duolingo」を活用して運営されてきました。いまでは新聞社「Jornal O Estado de Mato Grosso do Sul」やいくつかのネットメディアで経験を積んだManuela Baremさんが編集長を務めています。そんなブラジル版はアメリカ版とイギリス版に次ぐ規模感だそう。

インド:Rega Jha(editor)

インド版の編集をしているRega Jhaさん。20代半ばの女性編集者として、バズフィード以前にはコンデナストやTime Out New York、The New Yorkなどでインターンを経験するなどうらやましい経歴です。

インドはハフィントンポストやクオーツなども進出しているほかScoopWhoopなど有力なバイラルメディアも出ています。もちろん人口が多いですが、それだけ各社が読者を取りにきている国でもあるのでバズフィードがどのように展開するのかも調べてみたいです。

 

以上、アメリカ含む10カ国の編集長/編集者を紹介しました。バズフィードのアクセスの半数ほどは米国以外からというデータもあります。引き続き、今後の国際展開(中国やナイジェリアには進出するそうですが)に注目したいです。