「この先、ネット上の長文コンテンツを支えるのは定額制モデル」ーー長文メディア「Longreads」創設者の言葉
米メディア「Capital New York」が長文メディア「Longreads」創設者に短いインタビューをしていました。
メディアの輪郭では長文の流れを積極的に追っていますので、そのなかからいくつか言葉を紹介します。
Longreadsは、2009年設立のメディア。ロサンゼルス・タイムズやタイムなどで記者やデジタル戦略を担当していたマーク・アームストロング氏らが中心となって生まれました。
1500語以上を長文コンテンツと定義して、ノンフィクション/フィクションのどちらもキュレーション。月額3ドル、年額30ドルの有料課金制を採用しており、すべてパブリッシャーや著者に還元しています。
知らなかったのですが、Longreadsは2014年4月に、WordPress.comを運営することで有名なAutomattic社に買収されていました。現在はキュレーションですが、マネタイズの先には独自コンテンツの制作も視野に入れているとのこと。
マーク・アームストロング氏は、「いま、多くの会社が長文のストーリーテリングにお金を注いでいます。それは素晴らしいことですが、多くの場合、実際に支えるモデルがありません。(中略)この先、読者によるサブスクリプション(購読/定額制)が、ネット上でストーリーテリングの質を保証するのに重要です」とサブスクリプションモデルの重要性を語ります。
オリジナルコンテンツやその編集について同氏は、「われわれがいちばん売り出したいのは、よく知られているもの、知られていないものを含めた、いろんな人の声やトピック、形式、その多様性です。われわれは、どんなものでも1500語以上であれば"長文"(long)と定義しています。いま、好きなライターや編集者、出版社に声がけし、いっしょになにかおもしろいことをやろうと言っています」と、これから進めていくようです。
Longreadsについては、編集部とコミュニティメンバーによるキュレーションがあるのが個人的に好きなところです。この時期なので「Longreads Best of 2014」という特集も展開。このように、さまざまなかたちで、キュレーションの価値を高めているのは参考になりそうです。今後のオリジナルの比重を高めていくプロセスやその手法は気になります。
前述の「この先、ネット上の長文コンテンツを支えるのは定額制モデル」といった言葉は、日本でも当てはまると思います。ニコニコ動画やクックパッドのような課金モデルが、ニュースメディアやジャーナリズムで成り立つのか。日本ではどのプレイヤーがこのモデルを確立するのか、注目したいです。