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メディアの輪郭

更新するだけ健康になれる気がしています

メディア仕掛け人たちが語る「新たなメディア」ーー11のキーフレーズを紹介

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G1サミットで「現代ビジネス・瀬尾氏×スマートニュース・藤村氏×ユーザベース・梅田氏 メディア・イノベーションがもたらす社会」というセッションがあったようです。セッション紹介文は以下のものです。

既存メディアが軒並み苦戦を強いられる中、WEBメディアやニュースアプリは、今や百花繚乱の相を呈している。ソーシャルメディアの台頭によって、無数の個人が情報発信を行うようになり、情報源のロングテール化は、メディアに求められる役割を変容していく。スマホタブレットの普及が進む中、新旧メディアはどのように融合し、情報伝播の形はどのようにその姿を変えるのか。「SmartNews」、「NewsPicks」「現代ビジネス」--話題のメディアの仕掛け人たちが語る「新たなメディア」。

GLOBIS.TVでその模様を観ることができたので、印象的だったフレーズを11個紹介します。

発見と理解の欲求(梅田氏) 

経済ニュースに特化したアプリとして人気を得ている「NewsPick(ニューズピックス)」。発見と理解の欲求を満たすアプリとして設計されているため、現状では有意義なコメントが多くついて、ニュースに対して色んな視点で理解することができます。 

埋没した問題と新しい才能の発掘(瀬尾氏)

ジャーナリズムの2つの役割として挙げられた「問題の発掘」と「新しい才能の発掘」。問題の発掘でいうと、調査報道ができるウェブメディア、才能の発掘では若い書き手や組織に入っている人を起用することなどがポイントになってくるのでしょうか。 

稼げるジャーナリズム(瀬尾氏)

(マス)メディアの信頼性の危機やビジネスモデルの危機がある中で、稼げるウェブメディアをつくるということは重要です。有料課金やイベント(カンファレンス)などはカギになってくるかもしれませんね。以下の記事も参考にしてみてください。

アグリゲーションとキュレーション(藤村氏)

ニュースアプリ「SmartNews(スマートニュース)」の強みは「あふれるコンテンツのなかで、読むべきコンテンツを選び出すこと。アグリゲーションとキュレーションで独自のポジションを獲得している」と藤村氏は語ります。

プラティッシャー(プラットフォーム+パブリッシャー)の議論にもつながりますが、どちらだけではなく両方兼ね備えていることが重要になりそうです。

ヤフトピの次(津田氏)

スマホ時代のコンテンツ流通では「ヤフトピの次」はキーワードになってくるでしょう。実際にスマートニュースやグノシー、ニューズピックスなどの流入はかなりのものですし、今後も増えてくる一方だと思います。強力なアグリゲーターやキュレーターが増えてくることが楽しみでなりません。  

独自の編集部をつくる(梅田氏)

これまで国内のニュースアプリではなかった独自の編集部づくり。プラットフォーマーから少しずつパブリッシャーの機能も備えていくということです。

どのような編成、どのようなコンテンツ戦略をとっていくのか、非常に楽しみなチャレンジだと思います。 

課金とネイティブ広告(梅田氏)

ニューズピックスが考えている2つのマネタイズ手法。日本のウェブメディアでなかなか(成功)事例が少ない課金とネイティブ広告ですが、サステナブルなメディア運営を考える上では、ここを確立していくことができるかどうかは注目です。 

良いコンテンツをつくることとコンテンツを届けることの社会的価値がイコールになりつつある(藤村氏)

これまでメディアというと、どうしても記者やライター、編集者などコンテンツの作り手(良質なコンテンツをつくること)が重視されてきましたが、結局いくら良質でも読者に届いていないコンテンツを目にすることもあります。

そこでスマートニュースのような、良質なコンテンツやユーザーが求めているコンテンツを適切に確かに届けるサービスの価値が上がってきているのです。「良いコンテンツをつくることとコンテンツを届けることの社会的価値がイコールになりつつある」という認識はメディアに関わる人は頭に入れておきたいことの一つだと思います。 

投資の対象としてのニュースメディア(瀬尾氏)

海外では大手新聞社からの独立や、IT起業家たちのメディア立ち上げが盛んです。日本でもニュースアプリへの投資は盛んですが、ニュースメディアへの投資も増えてくると、このメディア転換期が面白くなってくると思います。

数字に縛られないモデルを(瀬尾氏)

テレビは視聴率、新聞は発行部数、ネットはPVといったように指標が固定化されてしまっている中で、海外ではバイラルメディアのUpworthyが新しい指標を置く取り組みも行っています。PV以外の指標を重視したままで、メディアとして稼ぐことのできるモデルが生まれてくれば、変わってくるかもしれません。 

これまでは、ユニークユーザー数やページビュー、サイト滞在時間などを元に測っていましたが、これからはユーザーエンゲージメントだと言うのです。そのユーザーエンゲージメントを測る指標として挙げられるのが「アテンション時間」(attention minutes)と呼ばれるものです。

アテンション時間は、Google アナリティクスが提供する測定値で、動画が再生されたか、今開かれているのはどのブラウザタブかというようなデータを元にしているので、ページ滞在時間よりも正確にユーザーの満足度が分かります。

急成長するバイラルメディア「Upworthy」が採用する、ユーザー満足度を測る新しい基準とは : ライフハッカー[日本版]

経済メディアとして「深さ」で勝負する(梅田氏)

ニュースアプリの中では珍しく専門分野で勝負しているニューズピックスですが、深さで勝負するという言葉は印象的でした。これはアプリのみならず、ウェブメディア(特にバーティカルなメディア)でも必要な要素になります。もちろん、中途半端でなく、新しいメディアをつくるものとしての矜持を持ってとことん深い専門性を届けていくことが大事になるのでしょう。