「データと利用者をつなぐ活動も必要」ーーオープンデータトークシリーズ第6回 「世界のオープンデータ最新事情」に参加して
2013年11月11日に開催された、オープンデータトークシリーズ第6回 「世界のオープンデータ最新事情」に参加してきました。
オープン・データ、オープン・ナレッジに関する世界最大のイベント 2013 Open Knowledge Conference (OKCon) が9月16日〜18日、ジュネーブで開催されました。トークシリーズ(6)は、OKCon参加報告を中心に、併せて、日本政府及び米国におけるオープンデータの取組みの最新状況報告を聞き、世界の流れを踏まえて、日本ではどういう取り組みを進めていくべきか議論します。
特に海外の状況などが興味深かったので、2つのパートの内容の一部や思ったことなどをメモ的に残しておきます。
Open Knowledge Conferenceレポート - 渡辺智暁さん(GLOCOM/OKFJ)
カンファレンスのスローガンは、"Broad, Deep, Connectes"。個人的に意外だったのは、オープンデータがミレニアム開発目標にも関わってくるという点でした。ミレニアム開発目標を国連主導で進めていていましたが、データをうまく使って効果測定などを行い、より効率的な開発援助をしていくことが可能になりそうです。
また、イギリスの存在感がすごいとのこと。G8議長国だったり、Open government partnershipの議長国、IATI(international aid transparency initiateve)の設置時サポーターなど。
そして、「ハッカソン再考」と題し、 ハッカソンの効果・意義について、「メンバーの調達に」 「プロジェクトの広告に」 「データの品質改善も」 「搾取になっていることも」 あるなどがカンファレンスではトピックとしてでていたそう。また、効果を上げる工夫としては、コンテスト型で企業、メディアとのタイアップを用意したり、課題募集型など色々あります。
米国の最新事情 - 高木聡一郎さん(GLOCOM/OKFJ/NTTデータ)
米国政府のオープンデータサイト「data.gov」の現状は、400〜450万ダウンロードされており、右肩上がり。過去に閉鎖の危機もあったそうですが、民間からの強い要望もあり、存続しているとのこと(それほど市民の必要なものになっているのがすごいです)。
米国オープンデータの課題に関しては、主に以下のような点があるそうです。
- 「開発されたアプリが利用されているのかが疑問」
- 「オープンデータの取り組みが各省庁のミッションに貢献しているのか」
- 「高価値なデータというより、象徴が開示しやすいデータを公開しているので、重要な情報の開示が進んでいない」
- 「積極的な省庁と消極的なところの差が広がっている」
- 「省庁別にデータが公開されているので、関心のあるデータを見つけにくい」
- 「専門家でなければデータの質や意味を理解しにくい」
一応、米国政府によるオープンデータの定義は、「一般に利用可能なデータで、エンドユーザーによって完全に発見可能で利活用可能であるように構成されたもの」とされているのだとか。
経済効果の流れだけじゃない、課題解決型や顧客向けサービスやそもそもが啓発をもっとやっていくことの必要性については共感しました。省庁の様々なデータとエンドユーザーの様々な関心を結びつけていくことの大切さについても知ることができました。
編集者としてオープンガバメントに関して何ができるのか
ということで、途中まで参加したので、かいつまんで印象的な部分をメモとして残しました。メディアや編集に携わる1人として、オープンデータやオープンガバメントなどにどのように関わっていくのかは重要なトピックの1つなので、引き続き勉強していきたいです。