強まるマイクロニュースの流れーーニューヨークタイムズが1分動画ニュース「The New York Times Minute」をスタート
NYTがスタートしたマイクロ動画ニュース
ニューヨークタイムズが1分動画ニュース「The New York Times Minute」をスタートしました。マイクロニュースのトレンドを汲んでいるようです。
とてもシンプルで、1日のニュースをまとめて1分で観ることができるというもの(NYT.comとNYTのアプリで閲覧可能)。ニュースは3本に絞られているので、重要なトピックのみをさらっと知ることができます。
ユーザーのスキマ時間に重要な話題を届ける
流れる時間は平日の朝6時、昼12時、そして夜6時。NYTの編集者の方も動画が急激に伸びていることや動画が報道において重要なこと、さらにはユーザーがすぐニュースを把握したいというニーズもしっかり認識しているようです。
デジタルメディアとして今後さらに増えているスマホやタブレットユーザーに対するコンテンツとしても1分であればありかもしれません。
マイクロソフトがスポンサーとなりニュース配信を支える
また、「The New York Times Minute」のスタート時のスポンサーにはマイクロソフト社がつき、バナー広告と動画広告を展開しています。
このブログではこれまで、動画コンテンツのキュレーションを武器に月間読者数4600万人を突破したバイラルメディア「Upworthy」や元ハフィントンポストCEOらが立ち上げた動画ニュースサイト「NOWTHIS NEWS」などを紹介してきました。
さらには、動画共有サイト「Vimeo」が月間訪問者1億人を突破し、収益が4000万ドルをを超えたことも動画の勢いを感じさせる一つの理由にもなりそうです。
動画ニュースのトレンドはこれからも注目
最近、NYTは新規読者の獲得のためにタブレットマガジンや若者向けの食に関するコンテンツ発信など新しい取り組みを積極的に行っていました。そんな中での、「The New York Times Minute」リリースだったのです。まだまだ新しい取り組みを行っていくのではないでしょうか。
今回紹介したマイクロな動画ニュースというのはこれからもどんどん来ると思うので注目していきたいと思います。
【参考記事】
- The New York Times News Minute
http://www.nytimes.com/news/minute/
- 'New York Times' introduces 'The New York Times Minute,' thrice-daily video news update
- New York Times launches bite-size video news
http://gigaom.com/2013/11/20/new-york-times-launches-bite-size-news-video/
【過去記事】
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- 月間読者数4600万人を突破したメディア「Upworthy」がゲイツ財団とコラボーースポンサードコンテンツで世界の健康と貧困を伝える
- 繰り返し読みたいメディアや編集に関する記事9本
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- 動画ニュースサイトの幕開けとなるかーー元ハフィントンポストCEOらが立ち上げたメディア「NOWTHIS NEWS」とは
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バイラルメディア「BuzzFeed(バズフィード)」、フランス、スペイン、ブラジルの各国版を公開
10月上旬の話題ですが、メモ的に残しておきます。
BuzzFeedのグローバル展開
バイラルメディア「BuzzFeed(バズフィード)」が現在の英語に加え、フランス、スペイン、そしてポルトガル語(ブラジル)の3ヵ国語へと展開していくようです。
英語で発信していて、月間8500万人以上の読者を集めているバズフィード(2013年8月)。「ブックエディター」を設置して本のカテゴリーをつくったり、非営利メディア「プロパブリカ」記者を調査部門に迎えて調査報道に注力する姿勢を見せたりと様々な方向に動いています。
翻訳プラットフォームとのパートナーシップ
そんな中で、さらなる拡大を目指して計画されているのが、今回の非英語圏への展開なのです。
具体的には、ウェブで翻訳作業を手伝いながら英語が学べるサービス「Duolingo(ドウリンゴ)」を活用してコンテンツを翻訳していくのに加え、展開国の言語が堪能なエディターを雇用してオリジナルコンテンツの発信もしていくとのこと。
主にブラジル人をターゲットにしたポルトガル語版は10月18日、スペイン版は10月21日、そしてフランス版は11月4日に公開されました。
メディアのグローバル展開と翻訳(学習)プラットフォームのコラボレーションというのはこれからのメディア運営における一つのヒントになりそうです。
【参考記事】
- BuzzFeed to launch French, Spanish and Portuguese editions
http://www.rawstory.com/rs/2013/10/14/buzzfeed-to-launch-french-spanish-and-portuguese-editions/
- The Virality of Evil. How BuzzFeed’s translation project will hurt foreign news.
- Associate Editor in French, Spanish or Portuguese at BuzzFeed in New York, NY
【過去記事】
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ハフィントンポスト、総コメント数が3億件を突破ーー良質な言論空間とウェブメディアの未来
3億件のコメントが集まるハフィントンポスト
世界に広がるソーシャルニュースサイト「ハフィントンポスト」の総コメント数が3億件を突破したとのことです。
I’m delighted to announce that @HuffingtonPost just reached 300,000,000 comments today. Thank you to our amazing community!
— Arianna Huffington (@ariannahuff) 2013, 11月 22
アグリゲーションでウェブ上の良質なコンテンツをひたすら発信するとともに、オバマ大統領をはじめ多くの政治家のブログ記事を主力に成長してきました。
コメントコミュニティへのこだわり
そのような中で、コメントの数はもちろんのこと、「ネット上に良質な言論空間」をつくることを目指しているため、コメントコミュニティの構築や管理にも非常に力を入れている同サイト。
「ハフィントン・ポストがアメリカの社会にもたらすことができた最も大きな功績は、彼らが読者を惹きつけることによって、より一般の人々の意見にも注目が集まるようになったこと」
月間訪問数が4000万人ほどでコメントは月間で1000万件を超えるほど。不適切なコメントの削除や良質なコメントを読んでもらうために、自動解析エンジンを活用しています。
日本版のコミュニティ成熟はこれから
一方で、2013年5月にローンチされたハフィントンポスト日本版は、半年たったいま、良質なコメントが来ているものの、コメント数がまだまだ足りないようです。
日本のウェブメディアで、多くのコメントに対してファシリテーションできるようなことができたら、ネットの言論がリアルにも反映されるようなことがどんどん起きていくのでしょう。
ハフィントンポストのコメントガイドラインを見てみるだけでも、他のサイトよりもコメントについてよく考えられていることがわかりますし、コメントに力を入れたいサイトを運営するときなど参考になりそうです。
世界中のメディアがコメント欄に悩む現状
では、ハフィントンポスト以外の海外メディアのコメントに関する取り組みはどうなのでしょうか。
ジャーナリスト・小林恭子さんが書かれた『「コメント欄」に悩む世界のメディア』という記事では世界のメディアの取り組みと葛藤が紹介されています。
例えば、米科学誌「ポピュラー・サイエンス」は悪質コメントを防ぐためにコメント欄を廃止、ベルギー日刊紙「デ・スタンダード」は人材不足により、論説記事のみコメント可能、などメディアによって様々。
編集者が確認するのか、読者が自由に投稿できるのか、いつでも削除できるのか、コメントの責任は誰にあるのか、ソーシャルログインでのコメントか無登録でのコメント可能なのか、悩む要素はたくさんあります。
良質な言論空間の構築に向けて
ネット上の良質なコンテンツを集め、良質なコメントで議論を深め、リアルへと反映していくハフィントンポスト。これからも同サイトのアグリゲーションとブログ、そしてコメントコミュニティに注目していきます。
最後に、今回の内容とはあまり関係ないですが、アリアナ・ハフィントンのTED Talksを張っておきます。
Arianna Huffington: How to succeed? Get more sleep | Video on TED.com
【参考記事】
- 刻一刻と変わるストーリーを:創設者が語る「ハフィントン・ポスト」のアイデンティティ « WIRED.jp
- (29)「コメント欄」に悩む世界のメディア : 企画&リポート : ネット&デジタル : YOMIURI ONLINE(読売新聞)
- Arianna Huffington: How to succeed? Get more sleep | Video on TED.com
【過去記事】
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